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とりとめのない、デジタル画像についての雑考 2005/11/23

写真の良し悪しに関して言えば銀塩であるとかデジタルであるとかで違いがある
とは思えない。良い写真はどんなカメラで撮っても良い写真である。

銀塩だから撮れた写真とか、デジタルだから撮れた写真と言うのも存在するとは
思うけど、具体的に例を挙げろと言われても難しい。ただ、銀塩の大型カメラで撮
影した画像の持つ圧倒的な情報量に関しては、デジタル一眼あたりでは到底太
刀打ちできない。が、Phase One の H25 クラス、つまりプロが使うようなデジタル
カメラバックが生み出す 2千2百万画素の画像は 4x5 フィルムに匹敵する。今から
4年ほど前の話になるけど、某写真家の劣化したポジを私が行っている会社でデ
ジタル化するにあたり、4x5 の解像感をほぼ完全に再現するために必要な画素
数としてカットアンドトライの末、決定されたのが 4000x5000 ピクセル(16ビット)で
あり、そのデジタルデータを元に起こされた 4x5 ポジフィルムはオリジナルの解像
感と色調を完全に再現している。もちろんこの 1000dpi を 35mm に適用すること
には無理がある。実際に使用される際の拡大率がまるで違うからだ。単純な計算
であるけど 4x5 から 8x10 に拡大するには、200% の拡大率で済む、つまり 1000
dpiが、500dpi になるだけである。通常、写真などのフルカラー画像の場合、印刷
用の原稿であれば 360dpi あれば十分とされるので、500dpi はオーバークオリ
ティーである。ところが、35mm から 8x10 に拡大するのに必要な拡大率は、ほぼ
700% である。1000dpi で記録された画像が 7 倍されると 142dpi になる。このとき
の画素数は約 150万画素である。8x10 のプリントで 360dpiを得るための画素数
は約 800 万画素で、A4 になるとほんの少し大きくなるので約 1000 万画素が必
要となる。ただ通常のオフセット印刷では 175 線(175dpi)が一般的である。つまり、
印刷原稿ではなく、写真そのものが最終的な出力である場合は 180dpiでも、鑑
賞には耐えうると考えられる。ちなみに A4 サイズを 180dpi で出力するのに必要
な画素数は、約 250 万画素である。SPP で現像したJPEG 画像が 180dpi を採用
しているのは、このあたりに理由があるのかも知れない。


デジタルが向いているのは良い写真を得るために可能な限り多くの枚数を撮影し
なければならない場合や写真に多くのお金を投資できない場合である。つまり、
デジタルの最も大きなメリットはランニングコストが掛からないことである。

アマチュアの世界において、銀塩を使い続けるのはよほどの信念が必要で、ラン
ニングコストを考えた時には、どうしても腰が引けてしまう。もちろん銀塩でなけれ
ば、撮れない写真は存在すると思うので、そのような写真を撮影する事がお好き
な方は、銀塩を使い続けるしかないと思う。具体的には 6x7 版以上のフィルムサ
イズの画像がこれに相当すると思う。上に挙げた Phase One H25 を使っている
アマチュアもいるとは思うけど、センサーだけで 300 万円以上するので、生業と
して写真を撮影するのでなければ、よほどのお金持ちでないと手が出ないだろう。

私が今年撮影した枚数は約 25,000 枚。これのフィルム代と現像代を計算すると
約 90 万円になる。1年間に 90 万円が趣味に費やす金額と考えると異常な金額
であるとは思わないけど、デジタルであることでこの金額がメモリ代や HDD代の
数万円で済んでいるのはありがたい。

もちろん銀塩で撮影していれば、撮影枚数は半分以下に減るはずだし、シャッター
チャンスに対する意識も変わって来るはずで、もう少し良い写真が撮れるかも知
れないけど、やっぱり年間 90 万円は痛い。

私のように子供の成長記録を撮るのに SD10 を使うのは、あまり賢明ではない。
子供の成長記録で大切なのはいかにうまくシャッターチャンスを捉えるかであっ
て、画質はさほど重要ではない。にもかかわらず私が SD10 を使い続けるのは、
リアリティーを重要と考えているからだ。他のデジタル一眼が作る画像には写真
としてのリアリティーが不足していると感じる。「写真としてのリアリティー」と言う
のは曖昧な表現だけど、イヤと言うほど多くの写真を見てきた目には、良質なポ
ジに匹敵するような素直な画を出してくれるデジタルカメラは少ないと感じる。

来年の桜はおそらく SIGMA の新機種で撮影できるのではないかと思うけど、
現在でも十分な画像を提供してくれる SD10 を凌駕するものがどのようなものに
なるのか、ものすごく楽しみである。

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コメント

もちろん線数は白黒対ですので、ドットパーインチではx2になるわけですね。(^^)

ん〜、しかし私は面倒なので、この手の計算はなんとなくスルーしてました (^^;

写真の世界ってこだわりの強い方が多いためなのか、「フィルムにこだわる」人とか、逆に「フィルムを捨てた」人とか、
妙に達観された方をたまに見かけますよね。しかしなにかもったいない気もします。
表現上なんのメリットがあるのかな〜とか。

知人にダ・ヴィンチの『最後の晩餐』が油絵だと勘違いしていたのがおりまして、
大笑いしながらも、あの絵がテンペラ画であろうと油絵であろうとパステル画であろうと、PC上に複製されたデジタル画像であろうと、
さして問題にはならないんだよなぁと思った次第です。
(保存性の観点から、失敗だったのではということはありますけど…)

投稿: けーざい | 2005.11.24 20:58

maroさぁーーん
>ただ通常のオフセット印刷では 175 線(175dpi)が一般的である
175dpiでなく、350dpiですよね、
単なる入力ミスですよね。

投稿: Tsubu | 2005.11.23 18:52

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