最後の詰めがまだ残っているとは言え、SD14 のハードウェア的な部分に関して
はこれ以上の変更はなさそう。
外部シンクロターミナルが PC シンクロターミナルとなっているのは、パソコンを
接続するわけではなく、Plug Connector の意味だそうだ。なんか、紛らわしい。
専用リチウムイオン充電池については完全に専用と言うわけではないらしい。が、
キヤノンやニコンが採用しているモノではなく、今はカメラメーカーではなくなってし
まった某メーカーの高級デジタル一眼レフカメラが採用していたものと同じモノらし
い。
画質に関しては「非常に良いです」とシグマさんは言うけれど、普通に普通の写真
を撮っている限り、現在の SD10 でも十分に画質は良い。画素数も出力する写真
が一般的な目的で使用される場合には十分である。これ以上に良くなっているは
ずだから、あまり心配はしていない。でも、SD10 と SPP2.1 が作る画像は完璧で
はない。
SD14 を入手した暁には、SD10 をあまり普通でない状況で使用した際に発生して
来る気になる部分がどの程度改良されているかについて、検証したい。
1つはノイズである。SD10 で RGB の原色を ISO400、適正露出から EV -2 で撮
影すると、G と B には顕著なノイズが乗ってくる。同じ条件で SD14 だとどのように
なるのか。
2つ目は非常に彩度の高い被写体の色再現性。特に直射日光が当たっている高
彩度な部分が露出過度になるような状況での色再現性に注目したい。
3つ目は微小光点の周囲に発生する FOVEON 独特のパープルフリンジ。レンズの
性能によって発生するハロとは明らかに異なった、ハイコントラストな部分の境界が
ピクセルを横切るときに発生すると思われるこの現象をどこまで緩和できているのか
を調べてみたい。
ここへ来て、各ウェブサイトの記事を見るたびに思うのだけど、ほとんど全ての記事が、
SD14 の画素数を 1,400万画素と記述している。おそらく、シグマさんがライターさん
に対して「画素数は 465万画素」と言う表記、あるいは表現をしないように要請して
いるのではないかと勘ぐってしまう。
ついこの前もフォビオン掲示板で話題になったけど、SD14 が 1,400万画素であること
は嘘ではない。水増しでもない。間違いなく 1,400万のピクセルデータを処理し、出力
画素数 465万の画像を作る。逆に言えば、465万の出力画素を作るためには 1,400万
のデータがなければならない。
私に言わせれば 1,280万画素の出力画素を作るためには 3,840万のデータが必要で
あるにもかかわらず、わずか 1,280万の入力データから、その2倍の 2,560万ものデー
タを演算によって求め、1,280万画素ですと涼しい顔をしている方が水増しである。
3年という月日を掛けて、この事実がようやく写真器材に関する著述を行う人たちにも
浸透して来たのかも知れない。
まぁ、世間一般の人々に対して、表現されている色の 3/2 が演算によって求められた
色であること(つまりは、出力画素の全てが演算によって求められていると言っても過
言ではない)を強く知らしめないで、出力画素数こそが全てであるかのような間違った
判断基準を与え続けた多くのカメラメーカーにも責任はあるし、そうした大手カメラメー
カーからの広告掲載料が収入の大きな部分を占めるカメラ雑誌の編集者方にしても、
所詮はサラリーマンだから、お金を出してくれるクライアントの気分を損ねるような記
事は書けないのだろう。
SD14 が一般的なデジタル一眼レフカメラとしての機能、仕様を達成した今、各カメラ
雑誌や評価を書くライターの方々が、どのような書き方で SD14 をけなすのかが楽し
みである。
私は画質だけでも感動を与えてくれる 35mmタイプデジタル一眼レフカメラである
SIGMA SD をこれからも応援し続けたい。