里帰りしていた SD14 と 30mm F1.4 が帰ってきた。横着をして取らなかったファイ
ンダー内のホコリが綺麗に無くなっている。「AF 合焦精度点検調整、ウィンドウ、
ピント板の掃除致しました。」となっている。
その他の不具合に関しては、全てファームウェアが原因と言うことで、特に修理、
調整されてはいない。30 日にシグマ本社におじゃまして、カスタマーサービス部
長さんとイロイロお話をさせていただいた中で、ファームウェア 1.08 は現在最終
チェック中で、近いうちに公開されるだろうとのこと。一日も早くと言う気持ちもある
が、それ以上に不具合をしっかり直してから出して欲しいものである。
30mm F1.4 もしっかり修理、調整されたようで、片ボケはなくなっている。ようやく
ハズレ状態から抜け出せたようだ。30mm F1.4 通算5回目のテスト撮影を AF の
テストを兼ねてやってみた。レンズに関しては KAHOO さんや Outliner さんから
借りた個体並みに写ってくれるのであれば良しとしよう。
と言うことで天気が曇りなのを幸い(晴れだと f:1.4 では露出過度になってしまう)、
前回と同じ様なテスト撮影を行った。f:1.4 から f:11.0 まで一段ずつ絞りを小さくし
ながら各6枚撮影。17-70mm でも f:4.0 から f:11.0 まで同じように撮影。
67枚撮影して、37M バイトのサイズを持った X3F ファイル1枚ができ、0 バイトの
ファイル、つまり Err も1回出た。液晶モニタに画像を表示させたときに次のカット
の一部が割り込んで表示される現象も1枚発生。まぁ、早い話が「小さな不具合」
は全く直っていない。ただ、これらの現象はファームウェアが原因との事なので、
アップデートを待つしかない。
SPP2.5 でサムネイルを表示したらファイルエラーで表示、現像されないモノが1
枚ある。上記の症状が出ているファイルは全て別のモノ。たった 67 枚の撮影で
露出のバラツキ以外の不具合が全て出そろった。めでたしめでたし。(^^;
30mm に関しては、絞り開放で露出がアンダーになり、色味が青くなる傾向は
以前と同じ。f:1.4 で撮影した場合の AF 合焦率は 66%、6枚撮ってその内4枚が
ジャスピン。奇跡である。f:2.0 では1枚が現像不能だったが5枚の内4枚がジャ
スピン。f:2.8 では6枚中5枚がジャスピン。f:4.0 では6枚中5枚がジャスピン。
f:5.6 以上では全てジャスピン。
シグマに送る前は f:2.8 までは全滅、f:4.0 でようやく6枚中2枚がピントが合う
ほどだったので、この変わり様はすごい。片ボケも見事になくなっている。30mm
F1.4 の良品であると言って良いだろう。
なお、JPEG 12 で現像後、最もファイルサイズが大きかったベスト4の絞り値は
全て f:5.6 であった。バラツキがない。これは AF の合焦精度の高さを示してい
る。ちなみに5位は f:8.0、6位は f:5.6、次に 12 まで f:8.0 が続く。すごい。
なぜ「すごい」と言えるかというと同じ絞り値の画像がファイルサイズの大きい順
に綺麗に並んでいるからだ。これはボディの合焦精度が非常に高いことを示して
いる。間違いなく SD14 のAF 合焦精度はかなり高くなって帰ってきた。
とにかく、AF 合焦精度はボディも含めて合格である。一緒に撮った 17-70mm
での合焦率は何と 100%、ピンぼけは一枚もなかった。信じられない。
ついでなので、私が描写力の判断基準としている JPEG ファイルのファイルサ
イズによる判定についてチョット書いておく。
JPEG ファイルは細部がしっかり解像しているほど大きなファイルサイズとなる。
と言って間違いない。が、これには条件がある。JPEG 画像に写っている被写体
が全く同一で、かつ、奥行きがあってはならない。私がテスト撮影に使っている
風景は被写体の全てが遠方にあるため 30mm で開放値を選んでも画面の全て
が被写界深度内に収まる。つまり、JPEG のファイルサイズを比較して描写力を
判断しようとする際には画面内の全ての被写体が同一の焦点面を持つことが必
須である。別の言い方をすればフォーカシングによって画面内の全ての被写体に
ピントが合う場合に限って、JPEG のファイルサイズを描写力の判断基準すること
が可能となる。そうでない場合は JPEG のファイルサイズではなく、目視で確認
しなければならない。
さらに、この JPEG のファイルサイズでの描写力比較にはとても大きな欠点があ
る。特に今回の 30mm F1.4 のように倍率色収差が比較的大きいレンズの場合
に問題となる。つまり、倍率色収差があるとハイコントラストな部分にマゼンタや
グリーンの細い線が出てくる。この細い線もしっかり描写されてしまうため、JPEG
のファイルサイズは大きくなる。だからこのファイルサイズによる比較でアテになる
のは同じレンズで撮影した場合のみで、レンズが変わってしまうと倍率色収差の
出方も異なるので、全く同じ被写体を写したからと言って大きなファイルサイズの
画像がすなわちより良い描写をしているとは言えない。
さて、肝心の調整済 30mm F1.4 の描写力だが、以前 KAHOO さんや Outliner
さんにお借りしたものとほとんど同じと言える。描写力に関しては f:5.6 が最良、
次が f:8.0、そして f:4.0 となる。ちなみに 17-70mm の最良画像は f:5.6 である。
正しく調整された 30mm F1.4 の f:4.0 ~ f:8.0 のファイルサイズは 17-70mm の
最良画像より大きくなる。が、上に書いたように、異なるレンズの場合はそれだけ
で判断してはいけない。比較画像を見てもらえば判るように、30mm F1.4 と 17-
70mm F2.8-4.5 を同じ絞り値で比較した場合、やはり 17-70mm のが全体的に
は良い描写をしている。ただ、中心部を見た場合には 30mm F1.4 の切れ味は
別格。マクロ並みのすさまじい描写を見せてくれる。絞り開放でも中心部の描写
は十分に良い。
中心部にピントを合わせた場合、このレンズの周辺部は甘い描写となる。さて、
そこで別のテストをしてみた。絞りを開いたとき、このレンズの周辺部は常に甘い
描写となるのかどうかを確かめてみた。つまり平面的な被写体では中心部だけ良
くて、周辺部が甘くなるのは褒められたことではない。しかし、実際の被写体には
奥行きがあるモノが多い。そして、写真によっては特定の部分だけにピントが合っ
ていれば良い場合も多い。極端な話、中心部は多少ボケても周辺部にはピントが
合っていて欲しいことだってあるかも知れない。
絞りを開放にして、MF にする。無限遠のさらに向こうまでピントリングを回しておい
て、1mm 位ずつピントリングを回し撮影する。24 枚撮影して無限遠にある風景の
周辺部と中心部の描写がどう変わるかを見てみた。とにかく大口径のレンズでは
像面の平坦性やコマ収差が問題となる。で、このテストではその像面の平坦性を
調べた。
1~ 12 枚目まではほぼ全面ピンぼけ。13 枚目から 20 枚目までは画面のどこか
に同心円状にピントが来ている。21 枚目から 24 枚目までも全面ピンぼけ。レンズ
テストにアップしておくので、ご覧頂きたい。結論としては「このレンズは絞りが開い
ている状態では像面湾曲の影響が顕著に表れるため、(正確には像面の平坦性が
悪くなるためと言うべきだが)中心部にピントを合わせると周辺部が甘くなり、周辺
部にピントを合わせると中心部が甘くなる。」
今回のテストで 30mm F1.4 が散々言われているように、やはりクセ玉であることが
明確になった。倍率色収差が目立つレンズであるが、大口径レンズとしては十分に
褒められる描写力を持っている。最新のレンズらしからぬ独特の描写をどのように
生かせるのかは所有者に対する課題となる。いずれにしても、かなり面白いレンズ
である。