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SIGAM DP と言うカメラ その2 2010/03/19

デジタルになる前はミラーを内蔵していない一眼レフは存在していなかった。が、撮像素子に結像した像を電子的に処理して液晶画面に表示することでミラーのない一眼レフ?が可能になった。SIGMA DP を一眼レフと考える人はいないと思うが、ライブビューで背面液晶モニタに表示された画像を見ながら撮影する事はまさしく一眼レフ的な撮影方法である。最近人気があるマイクロフォーサーズの一眼カメラと同じである。

フォーカシングを AF 機構に任せてしまうのであれば、ファインダーの役割はフレーミングだけとなる。DP で背面液晶モニタを見ながら撮影する際に不便だと思うのは、表示される画面にほんのわずかな時間的な遅れがあることと背面液晶用ルーペを使って画面を拡大して見たときに液晶のピッチが粗すぎて、細かい部分がはっきり見えないことだ。

しかしそれらの欠点は、一般的な撮影においては大きな障害とはならない。困るのは激しく動き回るものを追いかけようとしたときだけである。もともと激しく動くものを追いかけての撮影では AF や厳密なフレーミングは困難なので、MF で置きピンをしておいて、ビューファインダーを使うのが正解である。DP1s の場合は完全ノーファインダーで撮影する事も多い。

ファインダーや液晶モニタを見ずに撮影しても、被写体が動かないものであれば、撮影後の画像をチェックすることで何回でも撮り直しが効く。「道ばたの寸景」の半分以上がその様にして撮影されたものだ。

私は小さくて軽いカメラはブレ易いと思っている。だから DP で撮影するときにはブレに対してかなり気を遣いながら撮影する。何らかの方法でカメラを固定出来る場合は必ずそうしている。そのせいもあるだろうけど、DP で撮影したものは意外とブレが少ない。

何度も書いているが、ミラーがないことでブレが発生しにくいというのも確かだ。SIGMA SD14 のミラーショックはかなり少ない方だけど、ゼロではない。そのわずかなミラーショックがわずかなブレを発生させる。強固な三脚に据えることでそのショックを止めることが出来ると思っていたが、ダメだった。むしろ砂袋や大豆枕のようなショックを吸収し分散させるような物の上にカメラとレンズを置いて撮影する方がブレないと言う話を聞いた。機会があったらテストしてみよう。

で、DP にはそのミラーがない。シャッターが押されたときにカメラ内で発生する機械的なショックは完全にゼロではないが、絞り羽根が絞られるときとシャッターが閉じるときに発生する非常にわずかなものだけである。しかも光軸に対して垂直に、そして均等に働く力であるためにブレを発生させる原因とはならない。

シグマのデジタルカメラに採用されているセンサーが FOVEON でなければ、それほど神経質にならなくても良いのだろう。ベイヤー型のセンサーであれば1ピクセルのブレを検知することは不可能に近い。もし1ピクセルでしか表現できない点があったとしても、それををわざわざぼかしているのが一般的なベイヤー型センサーに着いているローパスフィルターである。ローパスフィルターを備えないベイヤー型のセンサーもあるが、1~2ピクセルにしか結像していない点や線があった場合には正しい色が再現されることは不可能となる。つまり非常に高性能なレンズを使って複雑な色と明暗を持つ被写体のディテールを再現しなければいけない写真を撮ることは諦めなければならない。もちろん、諦めるわけには行かないので、プロ用のデジタルカメラバックは膨大な画素数を持ち、得られた画像をボカして縮小することでこの問題を回避しようと試みている。

ベイヤーの悪口はこれくらいにしよう。とにもかくにも SIGMA DP は FOVEON センサーにとんでもないレンズを組み合わせたとんでもないカメラである。最大の長所は FOVEON センサーを搭載していること。画質は最高で、このカメラから出力されるデジタルを感じさせない素直な描写は唯一無二のもの。SIGMA SD を除く他のカメラでは決して得ることが出来ない解像感が特徴である。その反面シリコンの透過特性に依存した色分解を行っているため、センサーから得られる元の画像は彩度が低い。それを補うためにデジタル画像を生成する際には彩度を高くすることが必須となる。そのため元々彩度が低い暗部に色ノイズが発生しやすく ISO 感度を高くするのが難しい。

ベイヤー型センサーから画像を生成する際には隣り合ったピクセルが極端に異なる値を持つことはあり得ないことを利用してノイズを判別する。そのためピクセル単位での輝度ノイズや色ノイズをソフト的に低減することが可能である。しかし、FOVEON センサーにおいては隣り合ったピクセルでも極端に異なった値を持つことがあるため、ノイズをそれと判断するためにはノイズ特有の色相や周囲の色に注目して処理を行うしか方法がない。

よほど単一画素を大きくしないと低照度に強い FOVEON センサーは作れないかも知れない。ただ、現時点でも実用にならないほどひどいわけではない。低感度時の描写が非常に良いためにそれと比較した場合の高感度画質が悪いと感じるだけだ。今月の初めに「はな」を ISO 800 で撮影した写真は十分に実用になる。しかし、ISO 1600 が十分実用になっているカメラが存在するのも事実で、そのあたりと比較されると辛いものがある。


さて、DP2s があと一週間で発売になる。その一日前に DP2 用のファームウェア 1.04 が公開され DP2 の AF 速度が速くなると言う。となると、DP2s が DP2 と異なる点はパワーセーブモードを持っているかどうかの違いだけなのだろうか?

いずれにしても DP2 がファームウェアのアップデートで AF の高速化が可能で、それを DP2s が発売される前に確認できるようにしたことはシグマの良心である。願わくば DP2 と DP2s の相違点をより一相明確にして欲しい。

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コメント

> しおんさん
シグマのウェブサイトに「お知らせ」が出ています。

投稿: maro | 2010.03.20 06:26

> 婆助さん
梅本の自由雲台を使ったことはありません。が、私の使い方(100-300mm を着けた SD14 を三脚座や望遠レンズサポートを使わずに雲台に取り付ける)をするとお辞儀をしてしまうと思います。

なお、マンフロットのクイックシュープレートにイロイロ細工して硬軟の材質を試してみましたが、あまり違いませんでした。

ミラーアップせずにシャッターを切ってもブレない三脚と雲台がこの世に存在していると嬉しいのですが・・・。

投稿: maro | 2010.03.20 06:25

DP2のAF速度の件って確かな情報ですか?
それならDP1のAF速度も何とかして欲しい。。(^^

投稿: しおん | 2010.03.20 02:16

はじめまして。
いつも大変有益な記事ありがとうございます。
どちらかというと銀塩派でデジタルはDP2が初めてのカメラです。

さて、三脚でもぶれるというお話ですが、このような雲台製作会社があります。
http://www.umemoto.ecnet.jp/faqp2/faqp2.htm#q5
固有振動の共振によるブレは通常の三脚では除去がかなり困難なようでして、それに着目した雲台です。自由雲台というのが好き嫌い分かれるところですが。

近々購入して試してみるつもりです。

すでに導入済みもしくは御存知でしたら、失礼しました。

投稿: 婆助 | 2010.03.19 22:00

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