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EOS 7D vs SD15 その6 2010/07/12

最新のデジタル一眼レフがどの程度の機能を持ち、操作性や描写力がどの程度のものであるかを実感できたことは大きな収穫であった。ご希望がなければテスト的な撮影はこれ以上行わずに、以降は本番で使ってみたい。

またキヤノン製の最新鋭機と同じ被写体を同じように撮影することで SD15 の弱点がより明確に確認できたことも大きな収穫であった。シグマの方、最低一名はこのブログを読んでいただいていることがわかっているので、私が伝えたいと思うことは伝わったであろう。

しかし、あまり熱心に撮影データをご覧にならない方や掲載されている画像の Exif データをわざわざ調べる方は少ないと思うので、今回の比較テストで感じた SD15 を使う上での注意点を明確にしておく。

SD15 を使用する上で最も注意しなければならないのは露出である。SD15 で撮影した画像の全ては「評価測光」「絞り優先AE」で撮影されている。そして、露出補正が掛かっていないものは非常に少ない。なぜならば問題提起の逆光状態での画像を除いては、全て EOS 7D の露出に合わせるようにしたからである。

なぜ、そのままで撮らなかったのか? 理由は実に簡単。評価測光時の露出決定に関して十分に信頼できることがわかっている SD14 との比較テストにおいて、SD15 の露出計がことごとく異なった値を示したからだ。白状すると、実は同時に露出補正なしでの撮影もしているのだけど、やはり今ひとつ適正露出とは言えない(X3F で現像すると暗すぎたり明るすぎたり)結果となったため、露出補正を掛けた方の作例を採用している。とても不思議なことだが事実なので仕方がない。SD15 で撮影するときには露出に注意である。

もう一つの弱点は、やはりノイズである。通常の撮影においてはあまり問題ではない。露出が不足したとき(SPP で露出を +1.0 以上にする場合)や高い ISO 感度で撮影したときにはノイズが目立つことがあるのを知っておかなければならない。FOVEON センサーのダイナミックレンジが十分に広い事はわかっているが、可能な限り白飛びギリギリの露出で撮影なさることを勧める。

RAW ファイルは「ネガ」的であるが、撮影時は「ポジ」と考えて撮影した方が良い。ポジと考えて撮影するというのは上に書いたことと同じで、フレームの中で白飛びしては困るポイントの露出をスポットで測定し、そこから EV 値 2.5 段分明るくした露出を採用すると言う、昔ながらの方法で露出を決定することである。ただし、極端にハイコントラストな被写体の場合はどちらかを犠牲にしなければならないことがあるので、白飛びを容認するか黒つぶれを容認するかを撮影時に決めなければならない。イザとなったらブラケット撮影して、最近流行の高ダイナミックレンジ写真(HDR)にしてしまうのもありかも知れないが・・・。

SPP も含めて、その他の部分に関しては特に大きな問題は感じない。機能的には EOS 7D とは比較にならないほど少ない機能しか持たないカメラであるが、同じような写真は撮れる。もちろん性能的な面でも EOS 7D に追いつき、追い越して欲しいので、シグマにはさらなる努力を望む。


実は2時間ほど掛けて EOS 7D の画像をレタッチして SD15 と同じ程度の表現力を持たせようと頑張ったのだけど、やはり出来なかった。EOS 7D の情報量は間違いなく SD15 のものより多いのだけど、おそらく正確さが欠如しているであろう。どう頑張っても、本物と同じにはならなかった。やはりベイヤー型センサーを使ったカメラから出力される画像はローパスフィルターで細部を失い、そこにない色を演繹による計算で求めて作り出されたイミテーションである。

良くできたイミテーションで満足できる人は幸せだ。本当にうらやましい。それにしても、フィルムの時代を経験しているプロカメラマンやハイアマチュアの大多数がそれで満足しているらしいことが私には不思議でならない。皆さん写真を見る目を持っているはずなのに・・・。


道ばたの寸景 316

「道ばたの寸景 №316」 SD15 w/50mm F1.4 f:2.0 1/400 Sec. ISO100

道ばたの寸景 319

「道ばたの寸景 №319」 SD15 w/50mm F1.4 f:3.2 1/400 Sec. ISO100

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コメント

しおんさん
縮小の場合、縮小後の画素数で表現出来ない細部は予めぼかしておかないとモアレが生じて元画像にない模様になります。
当然、縮小後の画素数で表現出来る細部はぼかさない方が良いのですが、表現出来るか出来ないか、モアレが生じるかの判定にはある程度広い範囲が必要ですし、正しく判定できるように数学的に導いたのがLanczosです。
あらゆる画像に対して完璧に判定できるわけではないので、ベストを目指すなら一枚ごとに色々なアルゴリズムを試すことになりますが、どれか一つで済ませたいならLanczosがベストです。

とは言っても完璧ではなく、Lanczos3とか4の方が判定は良いのですが元画像がシャープだと縁取りが出易くなります。FoveonだとLanczos2の相性が良いように思います。

ベイヤーの4画素から1画素を作れば各画素に全色情報を持たせられるのですが、それはsRAWに期待するより、現像ソフトに期待することだと思います。

ただ、今時のデジカメの画素数なら、余程大伸ばししない限りプリントでも画面でも縮小処理が入るわけで、例えば400万画素に縮小するなら、4画素混合した450万画素から微妙に縮小するより、1800万画素から縮小した方が良いようにも思えますし。
要はRAWから1800万画素の画像を作る時に、演算によってRGB各々1800万画素の解像度を持った画像をつくるか、RとかBは450万画素の解像度しか持たないけど色の間の演算を控えた画像にするか選べれば面白そうです。ドットバイドットで見るなら前者ですが、縮小するなら後者の方が素直でしょう。

投稿: COLE | 2010.07.15 23:41

>maroさん
>カラーモードと現像方法によって
>グレーカードの明るさがコロコロ変わってきます。

これを回避するべく、同じ撮影条件と同じ現像アプリで
条件を全て揃えていただけませんか?
無論、ACRやSilkyが、Foveonファイルの現像において
ベストでは無いってことは承知の上で。。
被写体・レンズ・撮影条件・現像アプリが同じであれば
まさしくセンサー単体性能が見えるかなと。。
どうも、同じISO値で同じF値でもSDの撮影時間は長い様な。。
ま、手ブレに敏感故に気のせいかもしれないんですが。


>COLEさん

Lanczos法は良好ですか。。
ちょっと調べてると、Lanczos3においては周囲36画素も
参照して拡大補間するみたいですね。。

私も事あるごとに色々試しては居るんですが、
その度ごとに評価が変わってしまって結論に至りません(^^;
Lanczos法はbicubicと大差が無い、って思ってましたが
もう一度しっかりと見直してみます。

と、ここまで書いて再度しっかり読み返してみると、
縮小処理については、って書かれてましたね(^^;;
sRAWも、4画素混合であればホント面白いですのにね。。

投稿: しおん | 2010.07.15 00:22

> しおんさん
SD15 の ISO 感度に関しては反射率 18% のグレーカードでテスト済みです。

が、RAW で撮影して SPP で現像する場合カラーモードと現像方法によってグレーカードの明るさがコロコロ変わってきます。

結論は「不明」ですが、カラーモード:ニュートラルで X3F で現像する場合はわずかなアンダー(118,118,118 となるべきRGB 値が 100,100,100 位)です。

投稿: maro | 2010.07.14 07:17

sRAWがRGBGの4画素混合ということはないですね。理由は二つあって

1.混合したのではデータが殆ど軽くなりません。混合前はR,Bが450万、Gが900万に対して、混合後はR,G,B各々450万ですから3/4になるだけです。
間に他の色を一つ挟んで隣り合った同じ色の画素同士を混合してデータを軽くしているはずです。

2.こっちがもっと大事な理由ですが、そもそも単なる4画素混合ではうまくいかず、それなりの演算が必要=もはやRAWではない、になるからです。
単なる混合で駄目な理由ですが、ベイヤー配列って
RG
GB
が縦横に並んでいるわけですよね。そして7DとSD15の比較なら、この4つ一組でSD15の1画素x3層とほぼ同じ大きさです。
じゃあ4つ一組で一つの点だと思って、RとBはそのまま、Gは二つ足して2で割って、この点のRGB値とすれば良さそうな気がしますが、
一つの点に対してRは左上の値、Bは右下の値を使うわけですから、出来上がった画像はRが右下に、Bが左上に1/4ドットずれた絵になってしまいます。

縮小処理はLanczosが良いです。R-alphaなどが実装しています。S-Spline MAXは、LanczosのSinの演算が遅いので区分多項式で近似して高速化を狙ったもので、
最近のパソコンならその必要はありません。
http://nilpo.sitemix.jp/ralpha/

違う機種ですが、表示される感度と実際の感度が異なることはあるようです。
http://dslr-check.at.webry.info/201007/article_5.html

投稿: COLE | 2010.07.13 21:00

maro様コメント欄お借りします。

しおん様
SD購入に際し、こちらのレンズテストを参考にさせて頂いた上で、17-70mm(現行) 17-50mmf2.8(予定)と悩みましたが、やはり単焦点に優るものなしと考えました。Kタムラ特価はネット限定で、店舗で買うなら49300円とキッパリ言われました。他店では5万円以下はありえません。ですので現行品の在庫整理とは思えないので、macro化はもう少し先ではないかと思いますが・・?ちなみに納期約1ヶ月になっていますが、今週末に入荷とのことです。

投稿: maruhira | 2010.07.13 17:02

>ミック兄さんさん
それ面白いですね。
私も 40D vs SD14 でやってみたことがあります。
結果はsRAWの惨敗でしたが、その時の期待は、
sRAWはRGBGの4画素混合では無かろうか?という
確かFoveon掲示板でどなたかが書かれていた仮説、を
試してみました。
4画素混合であれば、画素数が減るだけで、
解像力はほとんど落ちない、はずが見事に解像力が
落ちてしまいました。。
7DのsRAWも同じであれば、解像性は落ちるはずですが
もし4画素混合式の1/4化であれば、、楽しみです(^^
是非お願いします。>maroさん
できれば、bayer補間処理後の画像を1/4縮小にしたモノ、
sRAWから現像したモノ、とも比較いただければ。。。
縮小補間処理には S-Spline MAX が良いかもですが、
まだmaroさんも買われていませんか?

>maruhiraさん
50/1.4が41800円って、驚異的な安さですね。。
もう少し早く知っていれば(^^;
α用のは持っていないのですが、所有ボディが古いα7Dなので
せっかくの超特価なのに悩ましいです。
もしかして、50/1.4マクロ化の前兆とかでしょうか。。
それはそれで困るんですけど。

投稿: しおん | 2010.07.13 16:32

今回も大変興味深く拝見させて頂きました。
7D、Canonの実力を感じました。
ところで7DはフルサイズRAWの他に1/2サイズのmRAW
1/4サイズのsRAWが撮れると思うのですが、特にsRAWはSD15と変わらない画素数になりますし
どの様な結果になるか気になります。
是非とも同じ450万画素勝負を!

投稿: ミック兄さん | 2010.07.13 15:46

昨年こちらを訪問し、DP2を購入して以来フォビオン礼賛派を自認しています。しかし3月にSD発売を待ちきれず、デジタル一眼を試したく、ペンタK7にFA77mmを購入してみましたが、のっぺりとしたデジタル画像と、ボディ手ブレ補正があっても、ミラーショックブレがあるという事実にショックを受け、すぐさま売ってしまいました。今はSD15ボディを購入し、某Kタムラネットショップにて新品50mmf1.4が、下取りあれば41800円という衝撃?価格だったので、購入して納品待ちです。

さて今回のテクニカルにおけるキャノン7DとSD15との比較ですが、7Dで撮影されたNo1~No13までの写真のうち、まあまあと思えるのはNo8の写真のみで、それとてSD15の画像と比すると、ボケボケ画像に見えてしまいます。7Dの13枚について、非常に良いあるいは十分に良い描写と評価されておられますが、これについてはまったく納得がいきません。どう見ても70mm macroや 50mmf1.4などのキレの良いレンズで撮影されたものとは思えない画像に思えてしまいますが、本当に7Dの画像が十分に(非常に)良い描写!?と思っておられるのか、ちょっと疑問に思いましたのでコメントさせていただきました。御無礼お詫び申し上げます。

私見ですが、C社N社など、たとえどんなに使い勝手や機能性能が良いカメラであろうとも、フォビオン搭載機で無い限りは、もはや使う気になりません。SD15ではまだ実写しておりませんが、ミノルタSRTスーパーとモノクロフィルムで、写真を撮っていた高校時代を思い出させてくれるような、そんな気がしています。

投稿: maruhira | 2010.07.13 14:02

追加でテストをお願いできませんでしょうか?

ISO感度は規格化されたものだとは思いますが、
7DのISO100と、SD15のISO100は、同じ感度特性であるのか。
つまりは、同じ撮影条件で同じ露出(露光)になるのか否か。

同じキヤノンでも、30Dまでと40D以降とは大きく異なります。
同じISO値でも、30D以前の方が感度が高いです。
端的には、同じISO値なら30Dが短い条件で撮れます。
私の印象では、SD14のISO値は数値以上に感度が低いですが
撮影条件までを厳密に揃えて比較したことが無いもので。。

測光性能とかAE性能はデジタルであればそれほど重要でないかな
と思ったりしますので、AE性能とかでなく、センサー自体の
感度性能という観点で調べていただけると嬉しいです。

何卒よろしくお願いいたします。

投稿: しおん | 2010.07.13 11:43

確かに画素数を増やしたbayerは、解像でFoveonに勝るのですが、
解像しているにも関わらず、質感描写はFoveonが優ります。
この不思議が、COLEさんの書いてらっしゃる内容と同じですかね。。
厳密には、bayer細部が偽解像(イミテーション)していることによる
描写性能の違いって感じなのでしょうか。
解像感や解像力、だけに止まらない評価尺度が要るのかもです。

平面センサーであっても、RGBGのモザイクなまま出力すれば、
色が緑被りで粗い印刷ドット状態ながら、質感は損なわれず
解像も格段に上がるのかもしれないですねぇ(^^

銀塩は、追求すれば数億画素相当の解像性能があるとか。
けれど、2000万画素bayerは銀塩の解像感を超えているとか。
粒状性とか、そういうのと同じ様な複雑な問題なのでしょうかね。

投稿: しおん | 2010.07.13 11:23

> COLE さん
ベイヤー型イメージセンサーの原理的な弱点は画素数を増やすことでかなり改善されていると感じました。

しかし、書かれている通り、7D の画像を 1/2 にしても SD15 のものとは異なっています。

どちらも一長一短で、どちらが良いかは個人の好き嫌いにゆだねるしかありません。

でも、ベイヤー型イメージセンサーからの画像を好きになれたら幸せだろうなと思っています。

投稿: maro | 2010.07.13 08:44

DP2を使っていて、確かにベイヤー型にはない良さがある、と感じるのですが、その理由が分からずにいます。

> やはりベイヤー型センサーを使ったカメラから出力される画像はローパスフィルターで細部を失い、そこにない色を演繹による計算で求めて作り出されたイミテーションである。

これは良く言われるのですが、
ローパスフィルターについて
もしちゃんとした、つまりきちんと1画素分ずらすローパスフィルターを使っていたら、7Dだって450万画素程度の細部は持っている筈ですし、逆にSD/DPも、468万画素で表現出来ない細部はカットされているわけです。
ローパスフィルターの精度、コストを知りませんので7Dのローパスフィルターがちゃんとしているかどうかは分かりませんが。

演繹による計算について
ベイヤーを使ったデジカメの画像を縦横2分の1に縮小しても、Foveonとは何か違うんですよね。
原因として考えられることは、そこにない色を、周辺の色相関を調べて推定しているからかな?と思うのですが、
だからと言ってベイヤーセンサーの出力を安直に縦横2x2をひとまとめにして使ったのでは、RとBセンサーの位置ずれによる色ずれが起こります。
じゃあ色相関情報を使わずに、安直に青は青だけ、赤は赤だけ、緑は緑だけで450万なり900万画素の画像を、ベイヤー配列の位置情報込みで1800万画素に拡大して重ねた画像を、SD/DPの画像を1875万画素に拡大した画像と比べてみたいですけれど、そんなこと出来るソフトないですよね。
現像ソフトが行う処理なのですから、どれか一つくらい出来るソフトがあれば良いのですが。

投稿: COLE | 2010.07.13 08:31

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