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馬鹿にされているユーザー達 2011/02/18

私は今ノートパソコンから無線 LAN を通じてインターネットに接続している。私が使っているノートパソコンに内蔵されている無線 LAN のデバイスは Intel Wireless WiFi Link 4965AG なので自宅では 802.11g で接続される。この規格の理論値は 54.0 Mbps(Mbps は M bit/秒)だ。ところがこの無線 LAN では 7.1 Mbps しか出ない。有線 LAN で接続すると 22 Mbps の速度でデータがダウンロード出来る。それでも、802.11g の理論値 54.0 Mbpsの半分以下なのだから無線 LAN であっても同じ速度で繋がらなければ異常と考えてしまう。しかし、パソコンの世界ではそれが普通で、異常と考える方が異常だという事になっている。それほど理論値と実際の値の乖離は大きい。全くユーザーを馬鹿にした話だ。

ついこの前メーカー公称値 600 倍速の CF の実際の書込速度を調べたが SanDisk Extreme Pro では 67.1MB/s(MB/s の B は Byte)で Transcend の 600x では 30.7MB/s だった。本来なら 600 倍速とは 150KByte x 600 = 90.0M でなければならない。テストした時と同じ USB3.0 で接続した HDD ではパソコン内部の SATA で接続した時とほぼ同じ書込速度である 157MB/s が出ている。なので USB3.0 の転送速度が遅いためではない。3回テストしてもほとんど同じ値だった。それほど公称値と実際の値の乖離は大きい。全くユーザーを馬鹿にした話だ。

パソコンの世界ではこういった嘘がまかり通っている。【理論値】と注意書きをしておけば、実際にはその半分以下の速度しか出なくてもメーカーは平気な顔をしている。「あくまでも理論値ですから。」が言い訳で、理論通りに実行されないのは当然であると開き直っている。大きな声で文句を言うと馬鹿にされるのである。ほとんどのデータ転送における速度が【理論値】で、実測値が大きく異なっていてもそれが許されてしまい、それが「当たり前」としてしまう。これほどユーザーを馬鹿にした話はないと思うのだけど、それが現実である。


でも、この程度ならまだ可愛いかも知れない。ベイヤー型イメージセンサーの 1,000 万ピクセルは 1,000 万個の受光素子から作られる。RGB の3色で構成される 1,000 万ピクセルを作るためには 3,000 万の受光素子が必要であるにもかかわらず、その1/3の部位で明るさを検知しているに過ぎない。残りの2/3はその1/3から計算で求められた値で補完される。しかも、その補完によって生じる偽の情報を避けるためにわざわざレンズの描写力を損なうフィルターをイメージセンサーの直前に置いているのだ。しかも、それを大声で糾弾する人は非常に少なく、変人扱いされる。パソコン業界の【理論値】よりももっとユーザーを馬鹿にしている話だと私は思っている。

私がレンズ交換式のデジタル一眼レフを欲しいと思った頃、幸か不幸か私は 6x7 あるいは 6x9 サイズのポジを業務用スキャナでデジタル化した画像を日常的に扱う仕事をしていた。その様な画像を見慣れた目には、いずれのカメラで撮影されたものであっても、まるでお話にならないレベルの画像にしか見えなかった。

なので、私はレンズ交換式のデジタル一眼レフはシグマ製のものしか購入した事は無い。なぜハイアマチュアやプロの銀塩を経験している方々がベイヤー型イメージセンサーで撮影されたデジタル画像を良しとするのか不思議でならない。おそらくその方々にとっては写真としての品位はさほど重要ではないのであろう。それを間違っているとは言わないけれど、ご自身で撮影し再生した「写真もどき」を好きになれるのかと心配してしまう。

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コメント

はじめまして。
隠居さんの書かれた通り、一方が無罪でもう一方がけしからんという都合の良い論理は成立しないと思われます。
ところでその「画素数表記」に関する有罪無罪云々といった破綻した論理ですが、記事・コメント内ではどなたも語られていないように見えますが、これは隠居さんの拡大解釈ではないでしょうか。
他の皆さんは、ベイヤー(採用メーカー)に対する不満について、多少の毒を交えながら述べているだけのように思われます。

投稿: ぺもこ | 2011.02.21 22:33

> 隠居さん

全くその通りです。(^^;

投稿: maro | 2011.02.21 17:31

シグマはCIPA基準に従っているから無罪で、他のベイヤー素子のデジカメを出している会社が同じようにCIPA基準に従った画素数表記をするのはけしからん、というのは論理が破綻していますが(笑)。

投稿: 隠居 | 2011.02.21 17:26

> 名乗るほどの者ではさん

Transcend は私も好きなメーカーです。

名乗るほどの者ではさんと同じ疑問を持ちましたので、機材を換えて再度 CF の速度をチェックしてみる事にしました。

本日(2011年2月20日)の記事をご覧頂けますよう、お願いいたします。

投稿: maro | 2011.02.20 17:39

こんばんは。
私もつい最近、SD1導入の下準備としてTranscendのx600を購入しました。
購入前に書き込み速度を調べていたんですが、
www.digi-came.com/jp/modules/news/article.php?storyid=3092
この記事を見て実測がそこそこ出てるような記述だったので購入を決めました。

Transcend社内での具体的なテスト方法はわからないのですけど、もしかしたら、USB3カードリーダーの書き込み性能や相性がいまいちなんてことはないでしょうか。

それにしても、SanDiskとは違いすぎですよね。

投稿: 名乗るほどの者では | 2011.02.20 05:33

> なかじーさん

フォローありがとうございます。私自身はベイヤー型イメージセンサーが 1000万のデータしか使わずに 1000画素のフルカラー画像を作る方が詐欺だと感じてしまいます。

投稿: maro | 2011.02.19 18:56

> 隠居さん
CIPA(カメラ映像機器工業会)の「JCIA GLA03 デジタルカメラのカタログ等表記に関するガイドライン」改訂版( http://www.cipa.jp/hyoujunka/kikaku/pdf/DCG-001_J.pdf )」では「有効画素数」を「レンズからの光を受光する撮像素子のうち、その出力情報が最終的に静止画像として出力されるデータに有効に反映される画素の数。リングピクセルをも含めてよい。」と規定されており、「カメラの性能を表現する場合には必ず本定義に従った有効画素数を用いる。」事が要求されています。

なので、シグマの SD1 は有効画素数 4500 万画素と表記しなければならないのです。

掲示板やこのサイトで何度も同じ事を書いていますが、皆さんの認知度が低く、いつも苦笑しております。(^^;

投稿: maro | 2011.02.19 18:47

隠居さん、シグマはCIPAの取り決めに従って
いるだけだと思います。

別の仕組みのベイヤー型と比較されるため
同じ土俵にたった、というだけです。
車のエンジンで言えば、普通のエンジンと
ロータリーエンジンとでは仕組みが異なるため
同じ排気量では比べられないのと同じ事です。

まだ画素数の取り決めがなかった頃、富士フィルムは
有効画素300万画素のハニカムセンサーで600万画素に
拡大した画像を作り上げるデジカメを売り出したとき
堂々と600万画素デジカメと言っていました。

メーカーは売れれば良いんですかね

投稿: なかじー | 2011.02.19 14:15

まあシグマも 例えばSD-15を14百万画素機としているわけですから、同罪ですね(笑)。

投稿: 隠居 | 2011.02.19 12:46

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