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FOVEON の時代。 2012/09/12

ディスプレイ上で画像を1:1で見ることが誰でも簡単にできるようになったことが FOVEON 愛好家を増やしていることに疑いはない。それが正統な写真の鑑賞方法ではないとの認識はあるけれど、それを間違っていると言うことにも躊躇を覚える。なぜならば、写真をディスプレイ上に原寸で表示して眺めることは今や誰でもが簡単に出来る鑑賞方法だからだ。それで自分自身や他の人が撮影した写真を見て感動を覚えるのであれば、それも一つの鑑賞法であると言っても間違いではないだろう。

昔、写真はプリントして鑑賞するものと相場が決まっていたけれど、高解像度のディスプレイはそのコントラスト比を考えると印刷以上の表現力を持っている。ポジフィルムをライトボックスを使って見る時のデンシティレンジは 3.0 程度あった。コントラスト比で言えば 1:1000 である。そして現在の液晶ディスプレイも同程度のコントラスト比を持っている。印刷した場合のデンシティレンジが最良のものでも 2.0 (コントラスト比 1:100)程度であることを考えれば、液晶ディスプレイを使って見る方が、より豊かな階調の再現性が得られることは確かだ。さらに、ディスプレイ上では拡大、縮小が自由に出来る。一枚の写真を鑑賞者が自分が好きなサイズで見ることが出来るようになった事は、写真を鑑賞する方法にバラエティーを与えた。

シグマによれば新 FOVEON センサーから出力される約 1,500画素の画像はベイヤー型イメージセンサーでは 3,000万画素の解像度に匹敵するという。その他のテストやレビューでは 2,400万画素、2,600万画素などと言われている。しかし、その解像度は全画面を対象として測定した場合の値で、画像を原寸でディスプレイ上に表示した時の解像感は、どのベイヤー型イメージセンサーをも上回る。それが FOVEON センサーの非常に大きな魅力の一つである。

だが、その醍醐味を味わうためにはセンサーの描写力以上の解像度を持つレンズが必要となる。もちろん、絞りを開けたり、近距離で立体物の撮影を行うのであれば、元々ピントが合う範囲が狭いため、超高性能なレンズは必要ない。が、画面全体が無限遠の距離にある風景写真や絵画の複写などでは画面の隅々まで高い描写力を持つレンズでなければならない。

現時点で最も解像度が高いと思われるのは DP2 Merrill に着いている 30mm F2.8 であるが、一眼レフ用としては 8-16mm の 16mm、10-20mm の 20mm、17-50mm の 50mm、70mm、85mm、105mm、120-300mm、150mm 等が最良の結果を出すレンズだと思う。180mm F2.8 もかなり良いとは思うのだけど、まだ私自身でテストしていないので、ここには挙げていない。

しかし、それらのカメラやレンズを使ったにもかかわらず、今ひとつ思わしい結果が出ない(ディスプレイ上で1:1に拡大をすると何となく甘い)とお嘆きの方がおられる。それには多くの理由が考えられる。

描写がわずかに甘くなる原因として最も多いと思われるのは「手ブレ」である。DP1 Merrill の実写ギャラリーやカタログに使われている Paul Thacker 氏の撮影風景を福井信蔵氏が flickr に掲載してくれているが、広角レンズが採用されている DP1 Merrill で屋外での撮影であっても三脚を使っていることがわかる。また、その様な時には2秒のセルフタイマーによる撮影をしていることも確かだ。シャッター速度 1/400 秒で撮影されている実写ギャラリーの作品番号 DP1M-05 でさえ2秒のセルフタイマーによる撮影であることに少々驚いた。三脚を立てる為の場所や時間が無い時に手持ちで撮影することは仕方のないことだと思うが、さすがにプロともなるとそのあたりの事情が許す限りにおいては三脚を使うと言うことを実感してしまった。

私は普通に写真を撮る時にはほとんど三脚を使わないけど、手ブレには異常なほど気を遣い、カメラを支えられるものがある場合には極力それに頼るようにしている。また、必ず連写を行い、手ブレの可能性を低くしている。

もう一つの原因はピンぼけである。DP2 Merrill の場合はほとんど問題はないのだけど、SD1/SD1 Merrill で撮影する場合は AF を信用してはいけない。必ずご自身の目でしっかり合焦していることを確認してシャッターを押すべきである。私は SD1 での撮影においてもほとんどのケースで AF を使うのだけど、それが許される場合には、少しでもピントが甘いと感じたら、合っていると思えるまで、シャッターボタンの半押しを繰り返すようにしている。

そして、これはあくまでもディスプレイ上で画像を原寸まで拡大して見る場合であるが、絞り過ぎには気をつけた方が良い。f:11.0 は明らかに絞りすぎである。が、同じ被写体をもう少し絞りを開いて撮影したものと比較しない限りは判らない程度の差なので、必要以上に気にする必要は無い。つまり、最終出力がプリントである場合には f:13.0 までなら絞っても良いと思う。

現像時に気をつけることはノイズリダクションを掛け過ぎないことである。最大でも 0.75 に押さえた方が良い。そして、それとは逆にシャープネスの掛け過ぎにも気をつけたい。シャープネス 0 でもシャープネスは掛かっているので、多少抑え気味(-1.0 ~ -0.5)の方が自然な解像感が得られると感じている。

絞り過ぎによる回折の影響をご覧頂く。全てカメラは固定して撮影。


SIGMA DP2 Merrill @f:5.0 1/50Sec. ISO100 EV+0.7 AF AWB
露出 -0.5、FillLight +0.3、ノイズリダクション 0.5,0.75、他はオール 0

SIGMA DP2 Merrill @f:11.0 1/10Sec. ISO100 EV+0.7
露出 -0.5、FillLight +0.3、ノイズリダクション 0.5,0.75、他はオール 0


SIGMA DP2 Merrill @f:5.0 1/800Sec. ISO100 EV+0.3
シャープネス -0.5、ノイズリダクション 0.5,0.75、他はオール 0

SIGMA DP2 Merrill @f:11.0 1/160Sec. ISO100 EV+0.3
シャープネス -0.5、ノイズリダクション 0.5,0.75、他はオール 0

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コメント

> かずっちさん

大メーカーとマスコミによって作られた画素数至上主義が世界を席巻しています。かずっちさんの提案である4ピクセルを1出力画素とする方法、あるいは RGB モザイクのまま出力してしまう方法のどちらを採用しても、ローパスフィルターは不要になります。が、4ピクセルを1出力画素とする方法では出力画素数が1/4になってしまうので、絶対にその様な方法で解像感を上げることは無いでしょう。画素数が全てに優先される世界ですから。

例えば Nikon D800E が上記の方法で写真を出力するようになれば、FOVEON センサーに対抗しうる解像感を得ることは可能だと思います。が、上記の理由で、まずやらないと思います。

FOVEON センサーから出力される画像もファームウェアの進化や SPP の性能アップにより、まだ良くなる可能性があるとのこと(非公式なシグマからの情報)、とても楽しみです。

投稿: maro | 2012.09.12 20:30

等倍表示での勝負なら、これからどんなへイヤー機が出てきても、三層センサーのFoveonは無敵じゃないですかね。高感度は除きますが。

所詮隣近所の画素から計算された色ですから、1ドットの力強さというか、「私はこの色なんだ!」という迫力はまったくありません。「たぶん私はこんな色ですよね?」みたいな。


でも、これはRGGBの4画素を4ピクセルとして扱おうとするからであって、RGGBの4画素を1セットとして1ピクセルを構成するような機種が出てきた場合、Foveonの有利さも微妙になるんじゃないかと思います。当然、解像度は1/4になるわけですが・・。

投稿: かずっち | 2012.09.12 19:47

> mykiss さん

ありがたいお申し出、恐れ入ります。私自身、このレンズに関しては購入すべきかどうか迷っております。が、既に手配はしてありますので、早ければ今月中にはテストできるのではないかと予想しております。

どうもありがとうございます。

投稿: maro | 2012.09.12 18:58

いよいよDP1 Merrillの発売も迫り週末はテストに
追われそうな気配も濃厚ですが、180mm macro
の御予定はいかがでしょうか。

もし必要でしたら御一報下さい。

既に新品とは言い難いですが、3週間位でしたら
貸出テストに御協力させていただきます。

時期はいつでも構いませんので...


投稿: mykiss | 2012.09.12 17:56

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