« クリスマスパーティー 2012/12/24 | トップページ | 予定変更・・・。 2012/12/26 »

SPP はひどいソフト? 2012/12/25

DP Merrill や SD1/SD1 Merrill がカメラ内で生成する JPEG 画像は解像感と白飛びの点で RAW から SPP を使って現像したものより見劣りがする。おそらく掛かり過ぎているノイズリダクションや白飛び軽減の処理がカメラ内 JPEG を生成する時には行われていないことが原因だと思う。なので、Merrill センサーが持つ本来の解像感やハイライトの階調を得ようとする場合には、RAW で撮影して SPP で現像する事が必須となる。

SPP を7年以上前から使っているユーザーは、おそらく「よくぞここまで進化した」と感じていると思うが、LightRoom の様な多機能な現像ソフトを経験した人から見たら、機能不足を感じることだろう。


分野は全く異なるけど、私自身がソフトウェア開発者であるため、他の人が作ったソフトウェアに関しての評価は少し甘くなる傾向がある。だから、ごく一般的なユーザーが感じる不満を私があまり感じない事もある。

例えば、私は SPP のレスポンスが遅い点に文句を付けたことはない。これは X3F ファイルのデータサイズやプログラムが行っているであろう処理を考慮した場合には許される範囲であると感じているからだ。

SPP はレタッチ用のソフトウェアではない。が、RAW ファイルを TIFF あるいは JPEG に出力するためのソフトウェアがどの程度の機能を持つべきか、あるいは持たなければならないかと言う明確な基準があるわけでもない。なので SPP で行うことが可能な調整の機能が十分か不十分か、あるいは必要とされるにも関わらず持っていない機能があるかどうかを判断することで SPP を評価しなければならないだろう。


SPP の調整機能で最も多くのユーザーが「なぜ出来ない?」と疑問に持つものの一つが、色温度と色かぶりの補正をスライダー(数値)で指定する事であろう。これは他の現像ソフトなら必ずと言って良いほど備えている調整機能なので、SPP のユーザーが疑問を持つのは至極もっともな話だ。

その疑問に対してシグマから公式な言い訳がアナウンスされたことはない(と思う)。が、FOVEON センサーの持つ特殊性故にスライド式に色温度を設定できるようにすることは非常に難しいと(非公式に)聞いた覚えがある。

しかし、SPP には撮影後の RAW ファイルに対してホワイトバランスの種類による再設定ができる。このホワイトバランスの指定により色温度の数値による設定とほぼ同じことが出来るのは皆さんご承知の通りだ。

DP Merrill のマニュアルには

晴れ:約 5400K
日陰:約 8000K
くもり:約 6500K
白熱電球:約 3000K
蛍光灯:約 4100K
フラッシュ:約 7000K

と記述されている。これが SPP でホワイトバランスをマニュアルで設定した時のおおよその色温度である。「色温度」は、仮想の真っ黒な物体を加熱したときに、何度に熱したらその色の光を発するかという理論値である。単純に言えば、温度が高いほど青く、低いほど赤いと覚えておいても、間違いではない。ただ 3100K と 3200K の色の差が 7000K と 7500K の色の差とがほぼ等しい(正確には 7000K と 7500K の差のが少し小さい)という、訳のわからない単位なので、色温度変換フィルターでは「ミレッド」という単位が使われる。ミレッド=((1÷色温度)×1000000)。

また、SPP のカラー調整で使われるカラーホイールは左右の動きで色温度の変更、上下の動きで色かぶりの補正として働くことを理解していれば、色調の補正はさほど難しくないかも知れない。また、私のようにフィルムの時代に色補正フィルターを使っていたユーザーであれば、あまり抵抗なくカラーホイールをクリックした際に表示される色補正データを理解することが出来るだろう。

色温度の数値による設定に関して言えば、カラーメーターを使って光源の色温度を計測するのでない限り、数値で色温度を指定することが気休めに過ぎないことも理解しておくべきだ。例えば「晴れ」と一口に言ってもスコンと抜けるような晴れと、雲が多めに出ている晴れとでは色温度が異なる。冬の晴れと夏の晴れでも色温度は異なる。一日のウチでも午前8時の晴れと正午の晴れ、午後4時の晴れでは色温度は異なる。

日陰も快晴の日陰と雲が出ている日陰では異なった色温度となる。空全体が雲で覆われているような曇りはかなり安定した色温度となるけど、やはり季節や時間で微妙に異なる。白熱電灯も約 2900K から 3100K 位の開きがある。低い色温度での 100K の差は非常に大きい。

書いているウチに何をどう書きたいのか私自身良く判らなくなってきた。が、一言で言ってしまえば、「色温度と色かぶりの補正をスライダー(数値)で設定する事は、気休めに過ぎないと私は考えているので、それがないからと言って SPP をひどいソフトだとは言わない。」と言うことである。

もちろん「ダメ」と感じる部分もあるので、それについてはまた明日。

|

« クリスマスパーティー 2012/12/24 | トップページ | 予定変更・・・。 2012/12/26 »

コメント

>ka_tate さん

情報ありがとうございました。
世の中には、いろんなツールがあるんですね♪

>maroさん

なるほど、カラーをちゃんと処理できる段階には至っていないのですね。
やはり、SPPの進化に期待ということで。

投稿: ks | 2012.12.27 06:46

> ka_tate さん

dcraw のウェブサイトにはこのソフトウェアの作者自身が「FOVEON X3 センサーは特別な補正を要します。通常の CCD とは異なり、このセンサーは全てのピクセル位置で3原色を取得します。しかし、取得された3原色は上手く分離されておらず、そのままでは非常に彩度が低い状態です。ノイズを抑制しつつ彩度を持ち上げる多くの後処理が必要となります。」と書いています。それなので、私は dcraw が FOVOEN センサーに関しては実用的なレベルに達していないと理解しておりましたので、試したこともありませんでした。

ks さんが紹介してくれたサイトでもモノクロでしか掲載されていないのはこのためですね。

投稿: maro | 2012.12.27 00:41

http://www.cybercom.net/~dcoffin/dcraw/
横から失礼します。たぶんツールはdcrawだと思います。
これを使えば各色の生データをTIFF形式で抜き出せるらしいです。
が、僕は詳しい使い方はわからないので、これ以上の話はmaroさんにおまかせします(笑)

投稿: ka_tate | 2012.12.26 21:21

たしかに私もツールを検索してみましたが見つけられませんでした。
色々不明なとこがありますね。
ただ、7/23にmaroさんが、DP2 Merrillの絵について、
カリカリでファームウエアの段階で何らかの処理がなされてるような気が、
というような事をおっしゃってたのを思い出し、
この人の説のようにSPPの処理のせいなら、シグマに要望を出して通れば
修正は割とすぐ出来るのではと思った次第です。

投稿: KS | 2012.12.26 13:42

> ks さん

コメント欄でのリンクを私のブログでは禁止しておりません。

リンク先の記事を読ませて頂きましたが、「明瞭度」と言うのが良くわかりません。

また単に「ツール」と記載されている X3F を TIFF に変換するソフトに関しても具体的な記述を見つけることができませんでした。

モノクロでの比較では肝心な色ノイズ(ポートレートの大敵は実はこれです)がどうなるのかがわからないので評価が難しいです。

投稿: maro | 2012.12.26 07:47

色温度の変化が直線的でないことを初めて知りました。
いつも勉強になります。
ところで、X3Fファイルの現像について次の記事を発見しました。
ご存知だったら&コメント欄でのリンク禁止でしたらすみません
http://zapanet.info/blog/item/2482
http://zapanet.info/blog/item/2481

投稿: ks | 2012.12.25 23:43

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« クリスマスパーティー 2012/12/24 | トップページ | 予定変更・・・。 2012/12/26 »