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FOVEON の欠点をレタッチでカバー その2 2013/06/20

ベイヤー(正しくは「バイヤー」だそうだ)型イメージセンサーが1つの画素の RGB 値(色相、彩度、明度)を推測するために、周囲の画素が持つ他の色の値を集計して演繹するのとは異なり、FOVEON イメージセンサーは周囲の画素を参照するせずに、単一の画素のみで RGB の値を取得できる。そのため、隣り合っている画素が全く異なる値を持つこともあり得る。

ベイヤー型イメージセンサーでは、そのような事は決して起きないため、一画素が周囲とは異常に異なるデータを持っている場合、それをノイズであると判定することが容易い。しかし、FOVEON センサーの場合はノイズかそうでないかを単に周囲のピクセルと大きく異なるデータを持つと言うだけの理由で判断することは難しい。

しかし、周囲のピクセルがなだらかに変化をしている場合、特出した色相や彩度や明度を持つピクセルは、ノイズであるかどうかにかかわらず目立つ事は確かだ。一般的に、ノイズリダクションはそのようなピクセルの値を平均化することで実現される。

FOVEON センサーが撮影時に得ることが出来る画像データは非常に低い彩度で、カメラの内部では、その低い彩度を上げる事で被写体の色を再現しようとファームウェアが頑張る。SPP でも同じ。しかし、その際に発生してしまうノイズの量はかなり多い。

もし、撮影時の ISO 感度が低く設定されていて、センサーに十分な光量が与えられれば、比較的多めの電荷から得られた値を元にしたかさ上げが行われるので、結果的には精度の高い値が得られる。が、高い ISO 感度で撮影された場合には、十分でない量の電荷から得られる少ない値を元にかさ上げを行わなければならないために、精度が低くなり、ムラやノイズが発生してしまう。

特に色ムラは低彩度の部分で目立つ。昨日は高 ISO 感度で撮影した低彩度部分に発生する色ムラを選択し、低彩度化する方法で色ムラを低減するレタッチを紹介した。

今日は本来スムーズな輝度変化であるべき部分に銀塩写真の粒子のように発生する輝度ノイズを低減する方法を紹介する。輝度ノイズは写真をディスプレイ上に大きく拡大して眺めた時に良く判るが、プリントにおいても A3 以上の大きさになると目立つ場合があるので、作品として発表する場合には可能な限り減らしておく方が良い。


『紫陽花 2013 その14』  2,991,334
SIGMA DP3 Merrill @f:7.1 1/160Sec. ISO100 EV-1.0
絞り優先AE、AF、ホワイトバランス:曇り、カラーモード:スタンダード

6月12日に掲載した、上の写真をサンプルにして、実際の輝度ノイズをご覧頂く。

上の画像はサンプルの一部を原寸でトリミングしたものである。JPEG 化ノイズを避けるために TIFF で保存した後、切り出して PNG 形式で掲載してある。

ご覧頂いてお判りの様に、本来スムーズなグラデーションの変化で表現されなければならないピントが合っていない部分にツブツブが見える。これが輝度ノイズである。この輝度ノイズはノイズズリダクションを高く設定することで、かなり減らすことが出来る。

下の画像は上の写真を SPP で全てのノイズリダクションを最大にして現像した場合に、こうなるという見本である。

確かに輝度ノイズは低減されているが、ピントが合っている部分の質感や精緻な描写も低減されてしまった。A3 程度のサイズでプリントするのであれば、このままでも問題はない。が、ディスプレイ上で大きく拡大して見ても、解像度の低下が判らない様にしたい場合には、一工夫必要である。

特別なノイズリダクションソフトや Photoshop のノイズリダクションを使わずに輝度ノイズだけを低減させるにはどうしたら良いのか?

私がこのサンプルに対してレタッチを行うとしたら、ノイズが多い画像の上にノイズの少ない画像を重ね合わせて、ノイズが少ない画像のピントが合っている部分のみを消してしまう方法を選択する。

0.2枚の画像を TIFF で保存。
1.Photoshop 等で2枚の画像を開く。
2.ノイズリダクションが少ない方の画像の上にノイズリダクションが多い方の画像をレイヤーで重ね合わせる。
3.重ね合わせた上の画像のピントが合っている部分のみを消しゴムで消す。
4.ついでにもう少しぼかす。
5.レイヤーを統合して、保存。

結果として得られるのが下の画像である。

写真全体としては以下のようになる。


それでは、具体的な手順を以下に記述する。

0.SPP で普通に現像したものと、ノイズリダクションを最大にして現像したものの2枚を TIFF 形式で保存する。

1.その2枚を Photoshop 等で同時に開く。2枚以上の画像を同時に開けない場合は、ノイズリダクションを多く掛けて現像したものを先に開いておいて、[編集]→[全て選択]で全画像を選択した後、[編集]→[コピー]でクリップボードにコピーしておく。

2枚同時に開ける場合はノイズリダクションを多く掛けて現像したものを選らんでおいて、[編集]→[全て選択]で全画像を選択した後、[編集]→[コピー]でクリップボードにコピーする。

2.普通に現像した画像を開いて(表示して)、[編集]→[ペースト]でノイズリダクションを多く掛けて現像したものを貼り付ける。これでノイズリダクションを多く掛けて現像した画像が、普通に現像した画像の上にレイヤーとして乗る。

3.[消しゴムツール]を選んで、サイズ約 30 ピクセル、モード:ブラシ、不透明度:100%、流量:100% に設定し、画像を大きく拡大して上に乗っているレイヤーを選択した後、ピントの合っている部分のみをマウスでドラッグして消去して行く。

下の画像を非表示にする事で、上の画像のどの部分を消したのかが良く判るので、それを確認しながら、ピントが合っている部分のみをしっかり消し去る。

ピントが合っている部分のみをしっかり消し去ったかどうか、あるいはピントが合っていない部分までも消していないかどうかの不安がある場合には、ここで Photoshop 形式か PNG 形式を選んで、レイヤーを残した形で一度保存。

4.ピントが合っている部分の消去が完了したら、[フィルター]→[ぼかし]→[ぼかし(レンズ)]を選択し、半径 4 絞りの円形度 100 で[ OK ] をクリックして、実行。

5.[レイヤー]→[画像を結合]で終了。適切な名前を付けて TIFF と JPEG 形式で保存。TIFF でも保存しておくのは後からさらにレタッチを加えるかも知れない事に備える為である。

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コメント

> 小林信郎さん

まず始めに ISO800 ~ ISO1600 F2.8 20~30 秒で撮影しても空(そら)が明るくならない撮影ポイントを探す事です。これが一番重要です。

FOVEON センサーの場合、感度を上げるとノイズが増えますので、撮影後に撮影した画像を何枚も重ね合わせて(コンポジット)ノイズを消さなければなりません。

が、そのためには星像が動いてはいけないので、自動赤道儀などを使っての追尾撮影が必須となります。

追尾撮影が出来ない場合は高感度に強い他のカメラで撮影なさる事をお勧めします。

さらに、星は世の中で最も高い描写力が要求される被写体ですので、レンズは最高のものを使い、1~2段絞ってください。

24mm F1.4、20mm F1.4、35mm F1.4、18-35mm F1.8 がお薦めです。

投稿: maro | 2016.01.01 20:20

SD1 Merrillを使っています。今、星空を写そうと頑張っています。But、暗い空に星を写す。星を消さずに暗い部分を暗く写すことに苦労をしています。何かアドバイスがあれば宜しくお願いします。
撮影条件はデジカメで一般的に星空を写す条件、明るいF値のレンズでISO800~1600,bulbで20~30secで撮影してます。

投稿: 小林信郎 | 2015.12.31 23:41

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