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SIGMA dp2 Quattro セカンドインプレッション 2014/08/03

一ヶ月も同じカメラを使い続ければ、そのカメラに対する評価はほぼ定まる。描写力や画質に関しての評価は私が撮影したもので各自に判断して頂くとして、それ以外の部分について改めてその使い心地を述べてみたい。が、私自身のカメラの使い心地に対する感覚は少々偏っているので、良し悪しに関しては主観的なものである事をお断りしておく。

まずは SIGMA dp2 Quattro で多くの方々が気に入らないと書かれている部分から始めよう。

USB 接続のケーブルレリーズソケットと SD メモリカードの挿入口を覆っているのはゴム製のカバーである。このゴム製のカバーがすこぶる評判が悪い。開きにくい、閉じにくいという意見があるが、私はさほど開きにくいとは感じないし、閉じにくいとも感じない。私自身は何とも思わないので、おそらく「安っぽい」と感じられることが、レビューアーの琴線に触れるのではないかと想像する。

耐久性に問題があると思われているようだが SD9 や SD10 の CF カバーのロックほどひどくはないだろう。ロックする際にロックボタンを手で押し下げておいてから閉めて、ロックボタンを放す様にしないと、間違いなく2年も持たずにロックする部分が折れてしまうシロモノだった。SD14 以降、その方式は変更されカバー全体をスライドさせるようになった。私が所有している SD14 のレリーズソケットカバーも同じ様なゴム製であるが7年半経った今も劣化は全く見られない。力任せに引っ張りでもしない限りは、問題ないだろう。


カメラのデザインは賛否両論であるが、文句を言う人の主張は「大き過ぎる」だと思う。DP Merrill でも小さいと言い続けてきた私は、もう少し高さが欲しいと思っている。撮影していないときには右手の親指をどこに置こうかと考えてイロイロに構えて見るのだけど、撮影時には全く意識したことがない。親指をカメラから離しているはずはないので、背面にあるセレクターの出っ張りあたりに置いているのだろう。撮影時に親指をどこに置いているのかを確かめようと思っているのだけど、イザ撮影する段になると、いつも忘れてしまう。

コンパクトである事を描写性能が第一義であるカメラにおいては考慮する必要がないと感じているユーザーにとって SIGMA dp2 Quattro が「コンパクトデジタルカメラ」であるかどうかはどうでも良い事である。しかし、気軽に持ち運びできることを重要と考える方にとっては大問題であろう。

SIGMA dp2 Quattro は「コンパクトデジタルカメラ」ではない事をシグマはもっと強調すべきである。他社のコンパクトデジタルカメラを見れば、SIGMA dp2 Quattro が如何に大きなカメラであるかがすぐに判る。さらに、各社の最高級一眼レフよりも横に長いカメラを「コンパクト」と呼んではいけないだろう。

つまり、小さくて持ち運びに便利である事がカメラ選びの基準になるのであれば、SIGMA dp2 Quattro が選択されることはない。が、大きさの割にとても良く写ることは確かなので、並みのカメラより良く写り、大過ぎないカメラと言うことなら選んでも良いだろう。全体的なフォルムが格好良いか悪いかは評価が分かれるかも知れないが、私は非常に素敵なデザインだと感じている。


専用のレンズフードは指が写真に写らないようにする役目しかないが、逆光性能が非常に良いレンズが着いているので、フードとしては全く役に立たないにも関わらず使いたくなるアクセサリーである。また、厳密なフレーミングを必要としない場合はビューファインダーは使用すべきである。個人的には両方とも全く役に立たないので、使用していないが、SIGMA dp2 Quattro のデザインはレンズフードとビューファインダーを装着する事で完成する。


マニュアルフォーカス時に背面液晶にフォーカシングポイントを拡大して映し出す機能があるが、拡大時にアンチエイリアス(スムージング)処理が掛かっているようで、いまひとつピントを合わせにくい。ファームウェアの改良によって、有効な拡大率(画像の1ピクセルに対して背面液晶の画素が整数倍)を採用し、アンチエイリアス処理をしない状態の画像を映す事を是非、実現して欲しい。


ようやく電子水準器が内蔵された。しかし、水平(横位置での撮影)に関してはキャリブレーションが可能になっているのだけど、縦位置に関してはそれが出来ない。横位置で調整すれば、自動的に縦位置も修正されるのだろうと思っていたが、シグマに確認したところ、そうではないとのこと。何とも不思議である。使用説明書では精度±1°となっているが、実際にはもう少し低い感じ。さらに、感度の調整も出来ない。これもファームウェアの改良により、ユーザーが感度を調整できるようになって欲しいものだ。ただ、あまり感度を高くしてしまうと手持ちでは却って使いにくくなることも確かだ。


通常の撮影において不満が出るほどのものではないが、連続撮影可能枚数は多ければ多いほど良いし、連写速度は速ければ速いほど良いので、もっと多く、もっと速くと要望しておくにとどめる。データの書き込み速度も同じ。速ければ速いほど良いので、可能であればもっと速くなって欲しい。ただし、連写速度が極端に速くなる場合には、遅い連写速度が選択可能になっている必要があるだろう。


AF も静止しているものの撮影であれば精度は十分に高く、速度も遅いとは感じない。が、移動している被写体に追いつけるだけの精度と速度は無い。高速 AF だと精度がイマイチで、高速で無い場合には速度が遅い。さらなる改良を望む。


AE や AWB も特に不満は感じない。実用上は十分に正確。ただ、全ての被写体や撮影状況で満点と言えるわけではないが、高級一眼レフでも同じ様なものだと言う話は良く聞くので、今以上のものを望むのは酷だろう。


特筆すべきはシャッターを押したときのブレにくさである。特に DP Merrill とは全く異なる。SD1/SD1 Merrill のそれに近いが、それ以上に良い。シャッターボタンが大きいことに加えて第一ストロークがより軽くなっているので、シャッターを押した際にカメラが動きにくい。


バッテリーの持ちは決して良い方ではないが、DP Merrill ほどの極端さは無い。2つあれば 500 枚は行ける。ゆとりを見るのであれば、4個持っていれば十分だろう。


ユーザーインターフェイスに関しては文句の付けようが無い。非常に良く出来ている。


一言で言えば、DP Merrill よりはるかに使い易く、進化したカメラである。最大の問題点はその画質にあるが、ファームウェアや SPP の改良により今よりは優れたものになる可能性は高い。いずれにしても、現時点で(おそらく)画質に関わる問題点は全て出尽くしていると思われるので、年内にはどの程度まで良くなるかの見極めは出来るだろう。

画質に大きな不満がある方は、現時点での購入はお勧めできないが、今より悪くなる事はないだろうし、普通に普通の写真を撮る分には十分に使い物になるカメラである。メーカー自身が「変態カメラ」と呼ぶのはおかしいと思うが、実際にその通りと言いたくなる部分も多い。

おかしなカメラが好きな方には自信を持ってお薦めする。


で、今日のユー君。

『同床異夢、再び』  5,015,418
SIGMA dp2 Quattro @f:4.5 0.3Sec. ISO100 EV+0.7
絞り優先AE、AF、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:ポートレート

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コメント

> mo さん

デザイン的にはユニークで素敵だと感じています。人間工学的なことは全く判りませんが、上からむんずとつかめる感じが好きです。

何回も DP Merrill との撮り比べを行って、本当に手ブレが少なくなっていることが実感できました。


> kusanagi さん

私の感想以上に独断と偏見に満ちていてとても面白い意見だと思いました。


> OT さん

ははは。お気持ちは良く解ります。


> omiya さん

私もほぼ同意見です。機械より人間のがよっぽど融通が利きます。こちらが慣れれば良いだけの話。

なので、機能の不備や低い性能には文句を言いますが、操作性にはあまり文句を言いません。

投稿: maro | 2014.08.05 00:42

ちなみにデザインの話しですと私はQuattroのデザインはとても良いと思いますよ。
気に入ったカメラであれば、グリップや操作性に自分を合わせればいいだけの話です。

投稿: omiya | 2014.08.05 00:18

kusanagi殿

「ライトユーザー」だのデザインがどうこうだのいちいちネチネチネチネチ嫌味を言うのはやめていただきたい。このデザインが気に入って、メリルよりも使いやすい奴はつまり「にわかファン」ということで馬鹿にしてるわけですか!
ここのやり取りを見ていると本当に自称ヘビーユーザーとやらの嫌味さとねちっこさに腹が立ってきました。
そんなにクワトロが気に食わなくて、メリルが最高ならずっとそっちを使ってりゃいいじゃないか。メリルだって出てたった一年と3ヶ月~2年のカメラなんだから!
熱烈なファンとアンチは紙一重とはよく言ったもんだ!

maroさん失礼しました。不愉快であれば削除してください。

投稿: OT | 2014.08.04 23:30

シグマを使う殆どのライトユーザーは、もしくはDP2Qデザインを
決定したシグマ社は、レリーズを押す瞬間のホールディングしか、
その考えが及んでいません。
しかしカメラはあくまで手に持つ道具であり、特に撮影が数時間
にも及ぶという場合には、レリーズ瞬間の場合だけの考察だけ
では不十分なのです。

一度、丸一日に及ぶ撮影行を自分の足で歩き、終始DP2Qを手に
持ったまま、山野の撮影なり、町角スナップなりで体験されては
いかがでしょうか。
そして数百枚から千枚を超える写真を撮られてみては?
身にしみてDP2Qデザインの使い難さが分かるだろうと思います。

しかしながら、私としては・・・
DP2Qはこのデザインで良いのだと結論づけています。
何故ならばあまりに優れたカメラを出せば他社メーカーの反発が
大きくなるからです。
今回のクワトロ方式は素晴らしく良く出来ていて、その画質の
ポテンシャルに、他メーカーのエンジニアは驚愕しているだろうと
思ってます。私も想像以上の出来具合に驚いています。

シグマとしては絶対にフォビオンに手抜きはできない。またカメラ
の練度も上げていきたい。しかしあまりに良くなりすぎて他社の
嫉妬や妨害は受けたくない。
そうなってくると、じゃあ何を落とすかと言うと、必然的にデザイン
になるのです。他社メーカーに笑われるようなもので。
そう、デザインなんて、そのモデル一回限りのものです。

最後に。
ヘビーユーザーの方は、やがて出てくるサードパーティ製DP2Q
用後付グリップに期待しましょう。

投稿: kusanagi | 2014.08.04 22:28

こちらのサイト
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2014/08/sigmadp2quattro.html
に、

"いまDP2Qを手にした人たちの間で問題になっていることが数点あるのだけれども(縦シマ問題や高感度ノイズ問題)、それらはカメラの根本的な構造によるものではなくて、画像処理時点のバグだそうだ。早い内にファームアップで解消されるということなので、安心めされよ!"

なんて書いてあるけど、100歩譲ってそれを信じたとしても、こんな大きなバグ消しをしないで、販売開始の決裁したこと自体にも問題があると思います。
果たしてあわてて売りに出した方が売上が良かったのでしょうか。。

投稿: omiya | 2014.08.04 21:26

デザインというものは、機能+気分を包括した機能だと思っていますが、dp2qは機能性と新鮮さが両立した、よいデザインをしていると思います。フードはfoxfotoさん制作のつけっぱなしフードに変えましたが。
dp2qが手ぶれしにくいのは、レリーズボタンの調整がよいこと、横長の本体、そしてあの握りづらいグリップが寄与していると考えています。
常識的な従来のエルゴノミクスデザインでは、グリップは前にせりでていて非常に握りやすいのですが、カメラを正面に構えて保持していると、実は結構手が震えます。軽いカメラではなおさらです。
dp2qは握りづらく、工夫して掴む、という動作を強いられますが、手首の向き自体は楽なので、手があんまり震えません。重い一眼レフでは成り立たないデザインですが(用途的に、自分が動き回って撮影するスタイルにも全く向かないですね)、これは一種の英断だと思います。
画質は…いまのところ個人的には「まったくだめ!」なのですが、期待しながら毎日持ち歩いています。

投稿: mo | 2014.08.04 11:08

> kusanagi さん
> omiya さん

DP2 Merrill と dp2 Quattro で同じものを同じタイミングで写して、結果的に dp2 Quattro のがブレ難くいことを確認しました。

が、人によっては異なる結果となる事はあり得ますので、評価が違って来る事もあるでしょう。

個人的には「このデザインは私を無視している」とは感じておりませんし、画質を重視するユーザーが必要以上にカメラのデザインを気にするとは思えないのですが、いかがでしょうか。

評価で書き忘れてしまった事が「ケーブルレリーズが使える様になった事」ですが、ヘビーユーザーにとってはこれが一番ありがたいことかも知れません。

画質に関しての評価はしばしお預けです。

投稿: maro | 2014.08.04 08:06

kusanagiさん。

御意。
上手くまとめて頂きました。
ただ、Quattroの遠景ほどMerrillの近景は悪くないと思いますが。。。

投稿: omiya | 2014.08.03 22:45

DP2Qのカメラデザインに関しては、ライトユーザーとヘビーユーザーとで
大きく評価が分かれると思います。
ライトユーザーの方は良いデザインだと言い、ヘビーユーザーの人は持ちに
くいデザインだと言います。
DP2Qは、いわゆる変態カメラユーザーと言われるコアなファン相手ではなく、
大衆化路線を狙った初めてのカメラなので、ことデザインに関してはヘビー
ユーザーをあまり相手にせず、ファッショナブルな話題性を狙っています。

ヘビーユーザーの人は大きさはともかく、その形が(グリップ形状と十字キー位置)
が不本意であるようです。横長すぎるし、持ちにくいし、バックにも入り辛い。
長時間の撮影において、違和感のない実用的な形状をヘビーユーザーは
求めます。

画質に関しては、遠景(風景)を主に撮影する人と、近景写真を主に撮る
人とで、これも評価が違ってきています。
コントラストの低くなる遠景描写はいまひとつ(あくまでメリルと比較して)だと
感じますが、コントラストの高くなる近景での描写は素晴らしいものがあります。
これはクワトロとメリル、どっこいどっこいの勝負です。

デザインと画質以外のものに関しては、全てに於いて歴代シグマのカメラを
大きく凌駕していると誰もが考えているでしょう。
この部分の利点はとても大きいです。

問題はそのデザインに於いて、ヘビーユーザーを無視しているというところ
です。シグマカメラで、多くの一般の方々を魅了させる写真を数多く撮っている
のは、例外なくヘビーユーザーなのです。
そのヘビーユーザーに飽きられれば、ネットに掲載されるクワトロの写真の
質が落ちることになり、しいては一般の方がシグマに魅力を感じられなくなる
おそれがあります。

投稿: kusanagi | 2014.08.03 22:00

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