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五千万画素に関する個人的見解 2015/03/08

キヤノンから5千万画素のイメージセンサーを搭載したカメラ 5Ds が出る。8688 × 5792 ピクセル。ベイヤー型イメージセンサーなので、プリントする際の解像度は 360 dpi が基本となるが、それでも横長に置いて 613mm x 409mm すなわち左右は A2 サイズ(594mm × 420mm)より大きく、天地は A2 サイズより若干小さいくらい。面積的には一般的なアマチュアカメラマンが大きくプリントする際に使う A3 ノビの2倍弱となる。

以前プリントサイズのことを書いた時に画素数は多いほど良いと書いたが、その考えは変わっていない。極小画素ピッチの弊害、レンズの解像度、プリントするサイズ、コンピュータの処理能力などを考慮しないのなら、デジタル画像の画素数は多ければ多ほど良いのは自明の理である。

特にキヤノン 5Ds はプロフェッショナルユーザーに使われることを前提に開発されたカメラなのだから、5千万画素でもまだ足りないと感じるプロがいるかも知れない。360 dpi で A0 にプリントするために必要な画素数はその4倍、2億画素だからだ。

もちろん、プリントサイズから割り出した必要とされる画素数は、単なる理論値に過ぎない。現時点で 35mm フルサイズのイメージセンサーが2億のピクセルを持ったとしても、その解像度を全画面に渡ってクリアできるレンズは存在しない。


2億画素を持ち出すまでもなく、キヤノン 5Ds の5千万画素でも、きっちり解像するのはかなり難しい。特に絞りを絞った時には、現在の光学ガラスによる屈折で実像を作る方法では、その解像度には明確な限界が存在する。皆さんご存じの回折である。

このブログでもたまに書いているのだけど、回折とは絞りによって遮られた光がその外側に回り込む現象で、回折によるボケの大きさは以下の計算式で求まる。

ボケのサイズ (nm) = 2.44 × 波長(nm) × 絞り値

さて、キヤノン 5Ds の画素ピッチは 36mm ÷ 8688 で 4.144 um(マイクロメーター、ミクロン)である。ここでは波長を可視光線のほぼ中央であるグリーンの値で計算すると、f:5.6 で約 7.6 um のボケが発生する。f:8.0 では約 10.8 um である。ボケの大きさをキヤノン 5Ds の画素ピッチである 4.144 um に納めるためには f:3.06 で撮影しなければならない。

実際には回折によるボケは理論値をかなりオーバーしてもあまり目立たない。特にベイヤー型イメージセンサーの場合はローパスフィルターで実際の画像を1ピクセル分ぼかしたり(理想的なローパスフィルターがあったら)、実際には得られていない他の2原色の値を演繹によって求めると言う方式であるため、明らかな回折による影響はかなり絞り込まないと確認できないと思う。さらに回折によるボケの量を求めるために、縦横の画素ピッチを使っているが、画素を正方形と考えた場合、対角線の長さは約 1.4 倍になる。もしかしたらそちらの長さを基準にして計算する方が良いのかも知れない。

であるが、現行の FOVEON センサーでは f:8.0 以上に絞った場合は、それより明るい絞りで写したものと比較すると若干甘くなることは確認してある。また、f:11 では明らかに解像度は低下する。なので、それ以上に細かい画素ピッチを持つカメラで f:8.0 以上に絞った場合には使われている画素数分の解像を得ることは原理的に不可能である。絞り値が大きくなるほど(絞り込むほど)描写に使われる絶対的な光量が減少し、回折によって回り込んだ光の量が相対的に大きくなることも、小さな絞りを使うことで解像度の低下が目立ってくることの原因であることも確かだ。

先ほども書いたが、35mm フルサイズのイメージセンサーの場合、最も大きな問題となるのは撮影するレンズの周辺部における解像度だろう。画素ピッチ 4.144 um というのはレンズなどの解像度を表す単位で表記すれば 120本/mm となる。良好なレンズの中心部における解像度は 180 ~ 200本/mm であるが画面の四隅で 120本/mm の解像度を持つレンズは滅多にない。

ある程度絞り込むことによって周辺部の解像度が高くなることは周知の事実であるが、回折によるボケの増大とのせめぎ合いとなる。

以上の事から、ベイヤー型の 35mm フルサイズイメージセンサーであれば5千万画素は十分に多く、またそれ以上に画素数を増やしても、レンズのアラが見えるようになるだけなので、現時点では実用的な意味での限界値であると感じる。

レンズやプリンタやディスプレイやコンピュータがより良いものになって行けば、それ以上の画素数が有効に使えるようにはなると思うけど、それには 10 年単位で考えなければならないほど長い時間が掛かると思う。

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