X3F ファイルを DNG に変換してくれるプログラム 2015/07/19
【本日2本目の記事】
ka_tate さんが Twitter に「x3fをDNGに変換できるコンバーターがリリースされた模様。」と書き込んでくれた。
早速ダウンロード。
上のリンクから飛んだページに実行型のプログラムとソースがある。Mac ユーザーは x3f_tools-0.53-osx-universal.tar.gz、Windows ユーザーは x3f_tools-0.53-windows-x86_64.zip をダウンロードして解凍。
Windwos の場合は解凍先のフォルダに bin と doc と言うサブフォルダが作られ、プログラムは bin フォルダの中にある。プログラム名は x3f_extract.exe 。
このプログラムはコマンドライン型のプログラムなので、何かをさせるにはコマンドプロンプトあるいは Windows PowerShell の画面を表示させなければならない。Mac の場合は[ユーティリティー]にある[ターミナル]画面を使用する。
「コマンドプロンプト」(ファイル名はcmd.exe)を起動するには、[スタート]メニューから[すべてのプログラム]-[アクセサリ]-[コマンドプロンプト]を選択する。Windows 8 以降なら、デスクトップの画面左下にあるスタートアイコンを右クリックして、クイックアクセスメニューから[コマンド プロンプト]を実行する。これ以外にも、[Windows]+[R]で[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開き、「cmd」と入力してもよい。
コマンドプロンプトあるいはターミナルを起動させる前に、PATH が通っているフォルダにプログラムをコピーして置くのが良い。代表的なのは C:¥Windows¥SYSTEM32 フォルダである。こうしておくとプログラムを動かす度にプログラムまでの長いパス名を入力しなくて済む。C:¥Windows¥SYSTEM32 フォルダに x3f_extract.exe ファイルをコピーしたら、「コマンドプロンプト」あるいは Windows PowerShell を起動して、x3f_extract と入力して Enter キーを押してみよう。
C:\Users\maro> x3f_extract
No files given
usage: C:\WINDOWS\SYSTEM32\x3f_extract.exe <SWITCHES> <file1> ...
-o <DIR> Use <DIR> as output directory
-v Verbose output for debugging
-q Suppress all messages except errors
ONE OFF THE FORMAT SWITCHWES
-meta Dump metadata
-jpg Dump embedded JPEG
-raw Dump RAW area undecoded
-tiff Dump RAW/color as 3x16 bit TIFF
-dng Dump RAW as DNG LinearRaw (default)
-ppm-ascii Dump RAW/color as 3x16 bit PPM/P3 (ascii)
NOTE: 16 bit PPM/P3 is not generally supported
-ppm Dump RAW/color as 3x16 bit PPM/P6 (binary)
-histogram Dump histogram as csv file
-loghist Dump histogram as csv file, with log exposure
APPROPRIATE COMBINATIONS OF MODIFIER SWITCHES
-color
(sRGB, AdobeRGB, ProPhotoRGB)
-unprocessed Dump RAW without any preprocessing
-qtop Dump Quattro top layer without preprocessing
-crop Crop to active area
-denoise Denoise RAW data
-wb
-compress Enable ZIP compression for DNG and TIFF output
-ocl Use OpenCL
STRANGE STUFF
-offset <OFF> Offset for SD14 and older
NOTE: If not given, then offset is automatic
-matrixmax
上の様に表示されれば、x3f_extracter は正しくパスの通ったフォルダにコピーされている。
早速、X3F ファイルを DNG ファイルに変換してみよう。おっと、その前にご自身が撮影された RAW ファイルが保存されている場所を明確に知っておかなければならない。
私の場合は D: ドライブに PHOTOS と言う名前のフォルダを作ってあって、その下に 20150714_dp0q 等の名前のフォルダを作り、その中に 2015年7月14日に dp0 Quattro で撮影した写真の X3F ファイルを保存してある。その中にある DP0Q0465.X3F ファイルを DNG に変換したい場合はコマンドプロンプト( C:\Users¥maro> )の後に
x3f_extract -q -denoise D:¥PHOTOS¥20150714_dp0q¥DP0Q0465.X3F
と入力して Enter を押せば良い。 -q は処理中のコメントをエラーが発生した場合を除いて一切表示しないモード、-denoise はノイズリダクションを掛ける指定である。10 秒ほどして、次のコマンドプロンプト C:¥Users¥maro> が表示されたら、DNG への変換は終わっている。指定したファイルのあるフォルダに DP0Q0465.X3F.dng と言う名前のファイルが追加されているはずである。なお、この追加されたファイルには「読み取り専用」属性が附加されている。
この出来上がったファイルを DNG を現像する事が出来るソフトウェア、Photoshop や Lightroom 等で現像すれば TIFF や JPEG ファイルを出力することが出来る。
まず、普通に SPP 6.3.0 で現像したモノをご覧頂く。
『ラーメン』 7,880,677
SIGMA dp0 Quattro @f5.0 1/25Sec. ISO400
絞り優先AE、AF、ホワイトバランス:オート(色残し)、カラーモード:スタンダード
SPP6.3.0 での現像パラメータはシャープネス -1.0、X3 Fill Light が +0.3 それ以外は全て 0 で、ノイズリダクションは両方とも真ん中である。
次は x3f_extract を使って X3F ファイルをパラメータ無しで DNG ファイルに変換したモノを Photoshop の Camera RAW でストレート(パラメータは全部デフォルト)で現像したもの。
『ラーメン』 13,392,057
ラーメンと言うよりは『アーメン』である。色ノイズだらけ。
次は x3f_extract を使って -denoise (ノイズリダクションしなさい)で DNG ファイルに変換したモノを Photoshop の Camera RAW でストレート(パラメータは全部デフォルト)で現像したもの。
『ラーメン』 6,345,143
色ノイズは無くなったけど、現像時に何もしていないので、階調も色調もイマイチ。
次は上の DNG ファイルを Photoshop の Camera RAW の自動調整を使って現像したもの。
『ラーメン』 8,441,923
何とか見られる。Camera RAW での現像時にしっかりパラメータを設定すれば SPP 6.3.0 の出力を越えることもあるのではないかと思わせる出来映えである。
現像時の選択肢が一つ増えたと言っても良いかも知れない。
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コメント
ContentaConverter PREMIUMという有料アプリを使用すれば、X3FからTiffへの大量連続変換はできます。Mac版を使用していますが処理速度等は特に問題はありませんでした。ただし、インターフェイスが怖ろしいほど稚拙で使用するたびに軽い目眩を覚えます。
投稿: skynet | 2017.02.07 13:06
> xingxing さん
TIFF に出力した後で Photoshop 等で出来ることなのでもっと簡単に、しかも多量に連続して現像処理が出来るようになって欲しいですね。
DNG ファイルへの変換を連続して行うだけならバッチを書けば出来ますが・・・。
投稿: maro | 2015.07.20 07:30
他のソフトでRAW現像できることは、凄く可能性が広がりますね!
これで、トーンカーブ反転によるネガポジ変換や、中央部トリミングによる擬似的な撮影倍率のアップなど、SPPで夢見ていたことが実現する?!
投稿: xingxing | 2015.07.20 01:38