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超望遠レンズのブレ。 2016/10/28

【本日2本目の記事】

前の記事の中に続けて書いたのだけど、あまりにも内容が異なるので、別記事とした。


実は私はこの一週間悩み続けていた。何を悩み続けていたかというと 150-600mm の描写力、特に 600mm での描写力に今ひとつ納得が行かず、密かにブレのテストを繰り返していた。


10月20日に月を写した後、いつものブレテストを行った。

『SIGMA sd Quattro with SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary』

上の状態で撮影。三脚は Manfrotto MT057C3-G、雲台は Manfrotto 468MGRC4、さらにマンフロットの望遠レンズサポート 293 を使っている。良く見て頂ければお判りの通り、望遠レンズサポートの先端をベランダの手摺りの最上部に押しつけている。

いつものように絞り f:8.0 シャッター速度1秒。カメラのブレが良く判るように左右のみを 25% に圧縮。つまり縦の揺れは4倍に強調される。

SIGMA sd Quattro + 150-600mm F5-6.3 @600mm f:8.0 1Sec.

ブレブレである。

この後、3日間に渡ってイロイロと試した。まず望遠レンズサポートの先端をベランダの手摺りに押しつけたことは、大間違い。脚に荷重が掛からなくなり、却ってブレる事が判った。脚は伸ばさないほど吉。エレベーターは多少であれば、伸ばしても問題は無い。石突きはスパイクのが良い。他の雲台(405,141)では余計にブレる。

SIGMA sd Quattro + 150-600mm F5-6.3 @600mm f:8.0 1/4Sec.

シャッター速度が異なるので、比較しずらいのはご勘弁。左右を 25% に圧縮してあるのは一緒。しかし、これでも、ごくわずかではあるが、ブレている。


かなり丈夫な三脚と雲台を使っても、カメラボディ自体に振動の発生源があるとそれによって発生するブレを抑えるのは容易ではない。特に通常の(ミラーがある)一眼レフの場合、ミラーがカメラボディ上部に跳ね上げられて停止する時のショックは縦走りフォーカルプレーンシャッターによって引き起こされるショックとは比べものにならないほど大きい。なので、望遠レンズを使った撮影では、必ずミラーアップをしなければならない。以降、SD1 に付いてはミラーアップしていることを前提に記述する。もちろんシャッターを切る時にケーブルレリーズかリモートコントロールを使ってシャッターを切らなければならない。

SIGMA sd Quattro と SIGMA SD1 には縦走りフォーカルプレーンシャッターが使われている。縦走りフォーカルプレーンシャッターは作動時に(カメラを水平に構えた場合は)縦方向に振動を発生する。正確には、先幕がカメラボディ上部に格納されて停止する時にごくわずかではあるがカメラボディを上に持ち上げ、レンズを含めたカメラ全体の重心はフォーカルプレーンシャッターより前(レンズ寄り)にあるため、反動でレンズがごくわずかではあるが下に下がる。その回転モーメントが画像を上下に揺らす。これが縦走りフォーカルプレーンシャッターによって引き起こされる三脚上でのカメラブレである。

振動を発生させる力の強弱、三脚及び雲台の強度(剛性)、レンズとカメラボディのバランス、接合部の強度など様々な条件の違いでその振動の現れ方(画像に及ぼす影響)は異なる。

つまり、例えミラーレス一眼レフであっても、条件が整えば簡単にブレるのである。ブレ易い条件を一つずつ列挙する。

1.縦走りフォーカルプレーンシャッターの先幕がカメラボディ上部に格納される時に発生するパワーが大きいほどブレる。
2.全体がしっかりバランスを取って三脚上に設置されていて、重心点のみで雲台に接合されている場合は簡単にブレる。(三脚座の使用による天秤ブレ)
3.三脚が振動しやすい状態で設置されているとさらにブレる。具体的には、完全に脚を開ききっていない状態で設置されている場合、不安定な場所に設置されている場合、脚が長く繰り出されている場合、軟着地しているような場合。
4.望遠レンズの焦点距離が長いほどそのブレが拡大される。


今回、散々苦労してフト思い出した。4年も前の話で申し訳ないけど NIKON D800E にAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II を着けて同じテストを行ったのだけど、NIKON D800E でも同じで、単にミラーアップして望遠レンズサポートで縛り付ける程度ではブレを止める事が出来なかった。

今回と同じ様に三脚の脚を伸ばさず、スパイク石突きで撮影すべきだったと反省している。

そして、NIKON から2年後に発売された D810 には電子先幕シャッターが搭載された。実は、これが三脚上でのブレを防ぐ特効薬である。

昨夜、SIGMA のマウントコンバーター MC-11 のファームウェアをアップデートした後で SONY α6000 に SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary を着けて、三脚も携帯用の Manfrotto 441、雲台もカメラを固定する事ではハイドロスタットボール雲台である 468MGRC4 よりは若干性能が劣るギア雲台 405 を乗せて、三脚座を使い普通に撮影した結果をお目に掛ける。

α6000 の電子先幕シャッターを「入」にして撮影。全くブレていない。朝になって、昨夜の撮影を再現。

『SONY α6000 with SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary』
by SIGMA dp1 Quattro

α6000 用のリモコンは持っていないので、USB ケーブルを使ってパソコンのリモートコントロールソフトウェアからシャッターを切っている。後の下に写っているのが普段テスト撮影に使っている三脚である。

センサーが全く異なるので、FOVEON でも電子先幕方式を採用することが可能かどうかは判らない。しかし、可能であるのなら、是非とも採用して欲しいものである。そしたら、三脚座を使う事に文句を付けなくて済む。



SONT α6000 + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary @600mm f:9.0
Photoshop でコントラストを上げた

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コメント

> マリンスポーツ大好きさん

仰せの通りです。電子先幕にも欠点がありますので、ユーザーに選択権がある事は必須だと思います。

投稿: maro | 2016.10.29 07:12

sdシリーズで150-600を使ってる者としては、動体に対して電子先幕シャッターはローリング現象を起こすので、もし採用するなら、電子先幕シャッターモードとして、追加してほしいですね。sd quattroのパンの時のモニター遅延も少し気になるので、これ以上静物に特化されても困るなかぁ。

投稿: マリンスポーツ大好き | 2016.10.29 06:56

> 通りすがりさん

sd Quattro のシャッターがもう少しおとなしく切れてくれれば良いのですが、電子先幕になったら完璧です。

連写速度は速くなると思うし、シャッター音も静かになるはずです。ただ、FOVOEN センサーはデータを高速に読み出すために特殊なスキャンをしているはずなので、電子先幕にするためにはセンサー自体を設計し直さないといけないかも知れません。

ニコンの方が私のブログを閲覧なさっておられることは知っています。が、私の記事が D810 に電子先幕を採用させる動機になったとは思えません。(^^;

投稿: maro | 2016.10.28 21:04

sdQが出る前にmaroさんが電子先幕シャッターが採用されていないのが残念みたいな事を書かれていましたが、ようやく意味がわかりました。

ニコンもmaroさんのD800Eのテスト画像を見て810に電子先幕を採用したのでしょうね。

投稿: 通りすがり | 2016.10.28 19:12

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